「けさの顔」コーナーで、訪米中の中国の次のリーダーと目されている習近平国家副主席(58)と取り上げた。今秋にもトップ昇格とあって、アメリカのお歴々も異例の迎接ぶりだ。その一方で、早くも世界を視野に入れた主導権争いが始まっているのだろう。きっちりとクギを刺すことも怠りなかった。
オバマ大統領「他国と同じルールで行動して欲しい」
異例の迎接だったのが14日(2012年2月)のワシントンでの会談。アナウンサーの加藤シルビアが「こちらのメンツです」と示したのが、会談順にバイデン副大統領、オバマ大統領、クリントン国務長官、パネッタ国防長官。オバマ大統領は報道陣がいる前で、習副主席に「世界経済の中で他のすべての国と同じルールで中国が行動するよう確認していきたい」と言った。
バイデン副大統領も「シリア政府に対する安保理決議案に拒否権行使した中国に失望している」とズバリ苦情。この時、会場は一瞬静まり返ったという。
大統領選の渦中でパフォーマンスもあったのだろうが、習副主席から「中国の人権は改善の余地がある」というコメントを引き出す成果があった。
世界の主導権はG8から米中G2に
早大大学院の北村正恭教授が次のような感想を話す。
「今まで米国が上だったが、対等の関係になった。なんたって副主席ですからね。『人権は改善の余地がある』とはなかなか言えないですよ。言っちゃうということは、本格的な指導者の地位を確立したという感じがしましたね」
東京新聞政治部の金井辰樹次長も「長い間、G8とかG20とかの枠組みが世界を決めていると報道してきましたが、完全にG2の時代になったなという感じがしている」という。
習副主席の外交デビューはこのあと欧州各国を歴訪するらしいが、翻って、日本のこれからのリーダーを考えると、なんとも心許ない。
文
モンブラン