6月解散が囁かれるなか、橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会が衆院選向けの公約「船中八策」の骨子を発表した。坂本龍馬をまねた船中八策の中身は、憲法、統治機構改革、社会保障制度など8項目の柱を掲げ、それぞれの主要テーマについても触れている。たとえば、憲法では改憲が必要な首相公選制の導入や参議院の廃止、さらに改憲に必要な衆参両院の同意を3分の2から2分の1に引き下げることも打ち出した。
総選挙向け「塾応募者」値踏み
さすがに橋下も過激な案と自覚しているのか、発表3日前の2月10日(2012年)に記者にこんな話をもらしていた。
「船中八策を出したらパァーと(維新塾への応募者が)引いていきますよ。そんな案は乗れないという人がいっぱい出てくる。年金は積立方式が最低ラインで、掛け捨て方式を目指しますとか言い出したら相当引いて行きますね」
司会のみのもんた「船中八策はいまの日本で必要だなと思われるようなことですか」
時事通信の田崎史郎解説委員「これをやれば日本は変わるなと思わせるものはあるんですが、実現は難しい。社会保障に積立方式と掛け捨て方式の併用っていったいどういう仕組みなのか。掛け捨て方式というのは、いままで掛けてきたお金を高額所得者になったら年金を払わないというシステムですよね。ボーダーラインをどこに引くのか。仕組みの問題を話しているうちはいいが、個別具体的、得か損かになるとボロが出かねない」
民主も自民も「橋下人気」あるうちは選挙先延ばし
噂されている6月解散説が現実ならば、そろそろ立候補者を詰めておく必要があるというのが大阪維新の会の思惑なのだろう。この骨子をたたき台にさらに手を加え、今月26日に正式発表するという。
杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説・専門記者室長)「今の勢いで大阪維新の会が躍進すると、民主も自民も勝てないことがあり得るので、6月解散を先延ばしした方が良いという声もでている」
そもそも、野田首相の頭の中には解散のカの字もないだろう。