お笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと山崎静代(33)がおととい11日(2012年2月)、広島で開かれたボクシングの全日本女子選手権で優勝した。5月の世界選手権で8位以内に入ればロンドン五輪への道が開ける。
「とくダネ!」はこの270日間、 ボクシングに挑む彼女を追ってきたが、去年6月の韓国、7月のインドネシア、9月の台湾とスパーリングや試合で負けるたびに泣いていた。今回だけは「泣いてないでしょう」と笑った。
重いパンチ決まり「26対11」の判定勝ち
芸能活動とボクシングの両立は並大抵ではない。全日本の2日前の早朝、梅津正彦トレーナーと時計を見ながらトレーニングするしずちゃん。2時間後には舞台に立っていた。終わった後も酸素カプセルで体力を回復し、その後は再び仕事、終わってからまた練習、そんな毎日だ。
「お金を払って来てくれている人たちに失礼なことはできない」
去年までは仕事の合間に練習だったが、オリンピックが迫る新年は特別な年となる。暮れに「人生で2度とない最初で最後の半年なので、ボクシング中心の生活を送らせてもらおうと思ってる」と語っていた通り、新年から仕事をセーブし、ハードなトレーニングで自分を追い込んでいた。
そして全日本選手権。ミドル級の出場選手は3人で、しずちゃんはクジでシードになり、最初から決勝だった。相手の鈴木左弥子選手(30)はボクシングは3年目だが、ライフセービングの世界選手権にも出ていて身体能力は高い。梅津トレーナーも皮膚がんの手術を延期して試合に臨んだ。試合は一進一退だったが、パンチの重いしずちゃんは第2ラウンドにスタンディングダウンを奪って差を付け、そのまま押し切った。判定は26対11だった。
「あー、勝ったと嬉しかった。今日は初めて泣いてないです。でも、今のレベルじゃ世界では通用しないので、もっと強くなりたい」
ロンドンへの可能性だが、世界選手権8位なら文句なしだが、それ以外にも、3月のアジア選手権の成績次第で大陸枠推薦という可能性もある。