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中田カウスの勝手な言い分だけ載せた「週刊朝日」に苦言!

   ポストとは違って、苦言を呈したいのは「週刊朝日」である。吉本興業の中田カウスのインタビューが載っている。「中田カウスがついに激白!ビートたけしと暴力団 本当の仲」。全くの期待外れだった。文春でたけしが、カウスにはめられて渡辺山口組五代目組長(当時)に会わされたと告白していたことについて、会わせたことは認めたが、偶然会ったので意図的ではないと弁明している。五代目組長とは言われているように親しくはないし、会ったのも20年近く前のことだ。

   どちらのいい分が正しいのかはわからない。だが、全体がカウスの弁明告白で、彼の勝手ないい分を反論も検証もせず、そのまま載せただけのインタビューである。吉本興業を牛耳っているといわれる怪しい芸人の「疑惑」に切り込まなければ、この男を出してくる意味がないはずである。島田紳助の復帰問題もこういわせている。

「もちろん紳助の復帰には、段階が必要です。まず本人の反省が必要だし、人間的に成長して、世の中に納得してもらわないと無理でしょう。花は時期がきたら自然と咲くもので、無理に咲かそうとするすると咲く前に枯れます。それはうちの社長(大崎洋=筆者注)もわかっていることです」

   暴力団排除条例に対する反対意見が一部識者の間で出ている。もちろん「国家が認めた暴力団」と揶揄されることもある警察権力がますます肥大化し、自分たちの利権を拡大していることに危機感を感じているのは私も同じである。暴力団員だからといって生存権まで根こそぎ奪っていいのかということへの疑問もある。だが、暴力団の資金源の一つが興行界との根強いパイプにあることも事実である。そうした中で、カウスや紳助が暴力団とつながっていたのではないかという疑惑は、紳助が引退したことによってウヤムヤになってしまった。

   事の真偽は定かではないが、紳助が自主的に引退することによって、吉本興業も紳助もこれ以上追い込まないという警察との暗黙の了解があったのではないかという情報もある。引退後、紳助が逮捕されなかったから彼は潔白だ、復帰させてやれという論理はナイーブすぎると思うのだが。才能が惜しいというのなら、テレビではなく小さな舞台でやればいい。それが芸人根性というものではないか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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