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東日本大震災「弔慰金」官民格差に愕然!2660万円と800万円

   週刊ポストで一番の注目は、東日本大震災の弔慰金(命の値段)に民と官で大変な開きがあると告発している特集である。それによると、民間人は800万円で公務員は2660万円だそうである。なんたる格差! 弔慰金は同じ額だが、公務員はそれに遺族特別支給金や特別援護金が支払われ、それとは別に市町村共済組合や関連公益団体からも弔慰金が出るのだ。それらを合計すると、民間人とは驚くほどの格差が出る。警察官や消防署員も同様である。

   しかし、自分の命を落としてまで中国人研修生20名を救った女川町の水産加工会社の佐藤充専務は民間人だから公的な補償は800万円だけなのだ。死の値段に官民格差があっていいはずはない。ポストはいいところを指摘した。ポストはこう結んでいる。

「なんとかならないか。この問題を議論していくこともまた、復興の重大な課題と本誌は考える」

   こうした大メディアが「故意に隠している(としか思えない)」問題をこそ、国民に知らせて考えさせ、直させるべきところは直させるように情報提供するのが週刊誌ジャーナリズムの役割であろう。ポストが向かおうとしている方向性は悪くないと私は思う。今のところ部数には結びついていないようだが、週刊誌の存在理由の一つは「異論」を唱えることである。それが間違っているなら他誌が堂々と批判すればいい。そうした言論の格闘技をもっと読みたいものである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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