「もう一人辛口の自分がいて、そいつとの闘いですね」
長渕は「死と生は隣り合わせで…。被災地へ行ったときに『この子を見て下さい。3月11日生まれなんです』とお母さんが抱っこしてきた。ボクは思わず抱きしめて『強くなるぞ』と言ったんです。何かしら苦難のなかにいるとき、春の新芽がふいてくるくるような、日常の一番大事なものが隠されているような気がした」と話した。
朝のスタジオは初めてだという。「聴きたい歌を歌いたいというのから衝動が始まる。でも、もう一人辛口の自分がいて、そいつとの闘いですね」
小倉「辛いんですか」
長渕「辛いんですよ。なかなか100点をくれない。子どもが歌い継いでくれるような歌を書いていきたいが、まだまだ」
笠井信輔アナ「震災で何が変わりましたか」
長渕「変わったことはないが、確かに何かのスイッチは入ったし、変わらざるを得ない。変わらないといけない」
小倉「長渕さんの受け止め方も、ひところより変わったんじゃないかな」
中野美奈子アナ「こんな優しい人なんだと、個人的には嬉しくなった」
これに長渕も「そうですか」と嬉しそうだった。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト