4日(2012年2月)にスイス・ローザンヌで行われた国際バレエコンクール決勝で、神奈川県の高校2年生・菅井円加さん(17)が1位になった。審査員9人の全員一致だった。日本人の1位は熊川哲也さん以来23年ぶりだ。
このコンクールは15~17歳 が参加し、「将来性」を見て奨学金を出す若手の登竜門で知られる。今回は19か国から79人が参加、うち21人が決勝に進んだ。菅井さんは古典舞踊と現代舞踊の2部門とも1位で、海外大会は初めてだったが、圧倒的な表現力と伸びやかな演技が高く評価された。
「悔し泣きするけれど、音が止まるまで絶対やめない子だった」
菅井さんは表彰の後、「出れただけで嬉しくて、感謝の気持ちでいっぱいです」と話し、「とくダネ!」の電話取材に「信じられなくて、ただただ嬉しかったです。実感がなかったです、最初は。いろんなプレッシャーがあったんですが、少しでも自分を出せたのでとても幸せです」と言う。
菅井さんは厚木市在住で私立和光高校の2年生。3歳からバレエを始め、大和市のバレエスクールに所属している。6歳の時から教えている翠川ゆり先生は、「よくがんばったなと思いますけど、びっくりもしてます。日本人は骨格的に不利ですよね」という。同時に「すごいがんばりやさんで負けず嫌い。泣くのは悔し泣き。やめちゃうかなと思うと、音が止まるまで絶対にやめない」とうれしそうだ。審査員をつめた吉田都さんは、「ダイナミック。音感も素晴らしかった。身体のコントロールというか、どういう動きにも対応して動けていた」と評価する。
知らせを聞いて駆けつけた母の賀子さんは、「夢のようですね。普段はサバサバとして男の子っぽい感じ。1日中バレエ漬けが多い。本を読んだりDVDを見たりとかは欠かさない」という。優勝者はじめ上位8人には、有名バレエ学校やバレエ団への入学・入団が1年間無料で認められ、生活支援金約133万円が支給される。菅井さんは吉田さんがかつて在籍した英国のバーミンガム・ロイヤル・バレエ団を希望しているという。