昨年9月(2011年)、大分県日出町のスーパーで、当時2歳10か月の江本琴音ちゃんが母親が買い物をしている間に不明になったとされた事件で、大分県警は2月5日夜、死体遺棄容疑で母親の優子容疑者(35)を逮捕した。任意の調べに母親は、「連れ去られたというのはウソで、自分が(遺体を)捨てた」と自供した。供述通り白骨化した頭部など、子どもと見られる人体の一部が見つかった。県警はDNAの鑑定を急いでいる。
遺体遺棄したものの「早く見つかって欲しい」
遺体が見つかった現場から田中良幸がリポートした。スーパーから約3.5キロ放れ、県道から山林を入った墓地のさらに奥で、埋められたというより落ち葉に埋もれたような状態だったという。田中は「早く見つかってほしいという母親の願いだったのか」といった。
事件が起ったのは9月13日。容疑者は自宅から約1キロのスーパーの駐車場にワゴン車を停め、買い物をして戻ったら、後部座席にいた琴音ちゃんがいなくなっていたと自分で110番した。警察は隣接自治体を含む広域に数百人態勢で捜索を続けたが、手がかりはなかった。
琴音ちゃんは脚の筋肉が弱く自力では歩けない。しかし、不審な人物の目撃情報もなく、防犯カメラからは死角になっていた。警察は当初から買い物時間が3~5分と短いことなどから、母親からの任意聴取を続けていた。今のところ、遺体を遺棄した理由などは語っていないという。
夫不在がちで相談できる友人もいなかった
司会の小倉智昭は「子どもが2人いて、1人は元気な男の子だが、琴音ちゃんは歩けないので母親がだっこして面倒を見ていたというんでしょ。ご主人も長く家を空けることが多かったと」
事件当時にリポートした平野早苗は、「新興住宅地のようなところで、引っ越してきて3年といいますから、相談できる友だちもなかったのかもしれない」という。
田中雅子(経営コンサルタント・田中総研代表)「子どもの身体が不自由で、旦那が自宅にいない、相談できる人もいないというのは孤独になる環境がそろってしまっている」
小倉「耐えて耐えていたのが、こらえきれなくなったのかねえ」
夏野剛(NTTドコモ元執行役員)「(事件から)4か月ですが、普通ならそんなに保たない。よほど事情があったのではないかと思いますね」
容疑者の父親は「琴音が死んでしまったことしかわからない。脚が不自由だからいつも抱っこしていた」という姿が痛々しい。心の闇は母親にしかわからないのかもしれない。