床に置いたゴルフボールが転がり、閉めても勝手に開いてしまうドア。東日本大震災による地盤液状化で集合住宅が傾き、不自由な生活を強いられたとして、千葉県浦安市の住民ら32人がきのう2日(2012年2月)、住宅や土地を分譲した三井不動産などを相手取り、地盤改良工事費や住宅補修費、慰謝料など総額約7億円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。田中大貴リポーターは「震災から11か月が経ちますが、その被害は甚大です」と伝えた。
周辺で1区画だけ被害
訴えによれば、液状化の被害にあった住宅は浦安市の埋め立て地に建設された三井不動産の「パークシティ・タウンハウス3」で、1981年に販売を開始し、原告らは2005年までに住宅や土地を購入・相続していた。しかし、大震災に伴う敷地の液状化で地面の陥没や住宅が傾き、給水・ガス管が破裂するなどの被害が出た。
田中「玄関の階段には段差ができ、地中から泥や水が吹き出したところもありました。液状化が起きた新浦安駅周辺には8区画の住宅地がありますが、液状化の被害にあったのはここ1区画だけです」
自治体も危険性認識してた!?
原告の一人である前田智幸さんは「隣の区画に行くと風景が変わる。別業者が販売した近隣の分譲地では対策工事が施されていて、液状化は起きていない」と話す。
田中「自治体でも液状化の危険性が高いと判断していたようです」
メインキャスターの小倉智昭は「目に見えない地中で起きた現象で、この裁判は難しい」と話し、ピーコ(タレント)も「裁判では原告側が立証しなくてはならないわけでしょう。その立証が大変だと思う」とコメントする。訴えられた三井不動産は「訴状が届いてないので、コメントは控えたい」としているが、和解で決着という可能性もある。