おととい30日(2012年1月)、厚生労働省は職場におけるパワーハラスメントの定義を公表した。陰湿なイジメであるパワハラの相談件数は年間で約4万件にも及ぶという。
厚労省が定義するパワハラとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える行為。又は職場環境を悪化させる行為」だ。
「真冬に背後から扇風機あてられた」
田中大貴レポーターはパワハラをこう解説する。
「上司が部下に対してというだけではありません。若い社員が先輩社員に対して行うことや、派遣社員のグループが正社員に対して行うことも含まれます。コミュニケーションをはかるためと称して、飲み会に無理矢理誘うこともパワハラになります」
2年間、派遣先の会社で上司から嫌がらせを受けていたという男性は、「暴言は日常茶飯事。真冬でも背後から、扇風機の風を当たられていた」と話す。なぜ家族に相談しなかった。
「余計な心配をかけたくなかった。それに、どこまでが激励で、どこからが嫌がらせなのかわからなかった」
コメンテーターのデーブ・スペクター(テレビプロデュサー)は、「自分の気に入らない人間を追い出すために嫌がらせをするというのは、人間として最低の行為」と語気を強めたが、メインキャスターの小倉智昭は「パワハラの基準が明確になったことは良いことだが、微妙な問題も含まれる。うっかり上司が部下にハッパをかけるということもできにくくなる」と話す。パワハラの定義を公表したことで、イジメや嫌がらせはなくならないだろうな。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト