「今はリズムがあって、(飛ぶ時)『私のジャンプを見て下さい』って自分のポジションに入る」
スキージャンプW杯札幌大会で、伊東大貴が2戦連勝するなどジャンプ界が盛り上がっているが、女子の天才ジャンパーがいる。中学3年生の高梨沙羅選手(15)だ。西村綾子リポーターのインタビューにあどけない表情でこう答えていた。
大人に混じってW杯で2位
スキージャンプ女子は2年後のソチ冬季五輪の正式種目に決まっているが、高梨は日本代表の最有力候補だ。その実力は、先に行われた第1回ユース五輪冬季競技大会で金メダル、今月(2011年1月)8日にドイツで行われたFISスキージャンプW杯女子でも、大人たちに混じって2位に食い込んだ。
高梨がジャンプを始めたのは小学校3年生の時だ。ジャンプ選手だった父と兄の影響で飛び始め、「飛んでいくうちに距離が伸び、空中の時間が長く感じて、それが楽しいと思うようになった」と話す。
ジャンプ日本代表の渡瀬弥太郎チーフコーチによると、「小さいころバレエをやっていたので、柔軟性が飛びぬけている」そうで、足首が柔らかいのでスキー板を体に引き付け、空気抵抗の少ない直線に近い姿勢で遠くへ飛べるのだという。身長も伸び盛り。1センチ伸びて152センチになった。このためスキー板も1センチ伸ばして220センチにした。板が長ければ浮力が増し、飛距離も伸びる。
「ぜひジャンプの迫力を生で見てください」
渡瀬コーチは「まだ体がきちっとできていないので、昨年から20キロ程度のウエイトのシャフトを活用している。その結果かなり飛距離が出てきた」という。高梨も「今まで体を投げ出して飛んでいたんだけれど、今は思考を変えて、足を使ってテイクオフというか、しっかり立っていくような意識で飛んでいます」と自分なりに工夫している。サービス精神もなかなかのものだ。
高梨「『スッキリ!!』はけっこう楽しいというか面白い。加藤さん、テリーさんに今度お会いできたらうれしいです」
これには司会の加藤浩次も感激し「こちらこそ!」。そして最後にファン向けに、「ぜひジャンプの迫力をナマで見て欲しい」と付け加えた。2月5日にはNHK杯が北海道・大倉ジャンプ競技場で、7日には全日本スキー選手権が北海道・宮の森ジャンプ競技場で行われる。