電力料金値上げをめぐって、東京電力の西澤俊夫社長が「義務であり権利である」と言ったものだから、大株主の東京都が怒った。石原知事は「財産隠しておいて値上げなんてとんでもない」。猪瀬副知事は「埋蔵金を明らかにしてもらわないと値上げには応じられませんよ」と24の子会社名をあげた。「整理すれば100億円削減できる」と強調する。どんな子会社なのか。
東京都「財産隠し、埋蔵金あるのに料金値上げ認めない!」
井口成人レポーターがたずねた芝大門にある子会社の事務所の賃料は398万円、京橋に近いビルの7階 から10階までを占めた賃料は月2432万円、ほかにも白金高輪のビルの5階から9階 まで月額2168万円、合計すると年2億6000万円にもなる。田町の21階建てのビルは一部所有で、売却すれば46億円という。
とにかく、みな一等地である。石原は「自分たちの福祉を維持してる事務所が超一等地にある必要は毛頭ないよ。どこか田舎でやりゃあいいんだ」と言うとおり、六本木にある「東京リビングサービス」は東電の食堂、寮、社宅、更生施設の管理や社員向けの旅行の企画をしている。月額賃料約830万円。元東電社員は、「子会社の社長はほとんど東電のOBです」「みんな20代後半くらいで家を建てる。ただみたいな金利で会社から金を借りられる」という。これらも「埋蔵」にあたるのだろう。さらに「年金もけっこうもらえる。月27万円とか」
天下り、業務丸投げ…お役所とまったく同じ構図
「電気料金制度見直しに係る有識者会議」の安念潤司・座長は、「埋蔵金を自分から申告する人はおりません。会計のプロに徹底的に洗ってもらうしかない」という。猪瀬も「有価証券報告書はわかりにくい。いろんなムダが眠っているだろう。情報開示を求めます」と強気だ。
司会の羽鳥慎一「社員にとってはいい会社ですね」
井口「24の子会社を全部回った。大変だろうと思うでしょうが、大変じゃない。みな一等地にあるから」
渋谷・神泉にある会社(家賃1450万円)は「一等地じゃない。渋谷からひと駅離れてる」、南麻布の会社は賃料1000万円を「安い」と東電サイドは言っているという。ただ、「東電物流」1社だけが福島事故のあと、独自判断で芝浦から大田区の倉庫街へ引っ越しをしていた。これで月500万円、年間6000万円の削減になったそうだ。
前田典子(モデル)「殿様商売。感覚がおかしい」
青木理(ジャーナリスト)「必要経費と人件費と福利厚生と全部乗っけて、さらに利益を乗せて電気料金を決めてきた。これを変えずに値上げなんていわれても納得できないですよ」
石原良純(タレント)「国の金が入っているんだから、そういう地位ではいられないことは素人でもわかるのに」
井口はさらに「取材していたら、子会社が孫会社に事業を丸投げしていることもわかった」という。なーんだ、仕組みはお役所の天下りと一緒か。しかも電気料金に関わるところは税金と一緒。みんなもっと怒ろう。