神社と土産物店とどちらの言い分に分があるのか。パワースポットとして人気という平安時代の陰陽師、安倍晴明を祭る京都の晴明神社が、参拝客を巻き込んでケンカしている相手は、隣りでちゃっかり「超強運を招くオリジナル陰陽師グッズ」の看板を掲げて晴明グッズを販売している土産物店だ。
グッズ持っての参拝お断り
土産物店はもとは西陣織のネクタイの製造販売が家業だったが、10年前に陰陽師のシンボル、五芒星をモチーフにした晴明グッズの土産物店に衣替えした。これに対して、昨年(2011年)8月、晴明神社側が「神を冒涜している」としてグッズ販売の中止を申し入れた。しかし、店側もタナボタ式の利益を簡単に手放すわけにはいかない。
そこで神社側が繰り出した奥の手が、参拝客向けのこんな看板だった。「陰陽師グッズは神社とは無関係」「陰陽師グッズ、開運グッズ等を持っての参拝はご遠慮ください」
宮司の言い分は「祭神である安倍晴明公を呼び捨てにしたり、3等身のキャラクターにして販売したり、『強運』『開運』『護符』という表現の占いマシンもある。冒涜と言わざるをえないと思う」
土産物店を経営する社長は「神社を盛り上げるというか、寄与できるように考えている。キャラクターにしても何にしても、楽しく販売できるというつもりで商品を開発している。ご利益があると書いているわけではない。見解の相違だ」と反論する。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト