パナソニック凋落これほどとは!頼みは次期社長に期待されてる津賀一宏55歳
今週おもしろかったのは新潮とともに「週刊東洋経済」である。東洋経済は「暴力団対策と企業」という特集が読みたくて買ったのだが、パナソニックについての記事がおもしろくて20ページを一気読みした。「暴力団対策と企業」は、暴力団の実態や暴力団排除条例とはどういうものかというQ&A、主要企業・業界団体へ「暴排条例」アンケートなど充実した内容で、企業の総務担当者には必読だろう。
「落日パナソニック」を読み終え、SONYやパナソニックのような大企業が韓国のサムスン電子などに押されて凋落してきていることは知っていたが、ここまでひどいのかとため息をついた。クルマ分野でも韓国の現代が急躍進していて、トヨタも日産も安穏としてはいられないそうである。
たしかに韓国の企業の躍進ぶりは目覚ましいが、パナソニック落日の要因は、歴代経営者たちの判断ミスが大きい。今年2月下旬に社長交代が発表されるのではないかといわれている。3人の有力候補がいるそうだが、中でも「この男ならば」と社員やOBたちの間に待望論が出ているのが津賀一宏・55歳だそうだ。技術畑で04年に最年少で役員に就任。上に対しても直言することで有名で、かつてパナソニックの主力であるプラズマテレビのパネルをつくるために2100億円を投じた尼崎第3工場を、すぐ閉めるべきだと主張したことがある。
当時、その工場は1年半前に稼働させたばかりの最新鋭工場だったが、津賀が発言した3か月後に停止された。また、40型のプラズマテレビなどの不採算部門から撤退し、テレビ部門の55歳超の社員を2011年内に全員退職させたのも彼だったそうだ。彼の「執行力」に経営者としての資質ありと見ているようだが、ネックは55歳という若さだという。