80年ぶりに8強入りを果たした錦織圭選手の全豪オープンの準々決勝は、世界ランク4位の強豪アンディ・マリー選手にストレート負けを喫した。錦織は「トップの選手に勝つにはまだまだ足りないことがたくさんあることを教えられました」と語った。テニス解説者の松岡修造は「今回で確信したことがある」と断言した。
骨盤、胸郭を鍛えてブレなくなった体の軸
「体力が彼には必要。いま彼が持っているのはベスト8に入る体力。今度はベスト4、優勝、世界1になるための体力が必要だ。(その体力がつけば)彼はグランドスラムで優勝できる」
松岡はこう話し、とりわけ絶賛したのは後ろ向きで打った「股抜きショット」。品格のないショットに見えるが、松岡は「普通ならこの状態は真っ直ぐのライナー性のボールしかいかない。彼が打ったのは相手を見て前に来ているなと…。あの1発はこれからのテニスのスーパーショットとして使われる。あれ以上のショットはないですよ」という。そのショットを可能にしたのは、錦織がシーズンオフに集中して鍛えた体幹トレーニングだった。
松岡「錦織にとって体幹トレーニングをしていなければベスト8は絶対なかったですよ」
体幹トレーニングとは何か。早大スポーツ科学学術院の広瀬統一准教授は、「体幹とは骨盤から胸郭、胸のあたりまでの全体を示します。動きの中で体幹がブレないようにする。ぶれるとバランスを崩してしまう。ここを鍛えることが、ジャンプの着地や動きの切りかえしの素早さに繋がっていく」と解説する。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト