富士山と古都・鎌倉の2か所がユネスコの世界文化遺産登録を目指し推薦することが25日(2012年1月)決まった。世界文化遺産は優れた価値を持つ歴史的な建築物や遺跡などのことで、日本では現在12か所が登録されている。
なぜ富士山が自然遺産でなく「文化遺産」に?という疑問もあるが、そこが登録を願う静岡、山梨両県の苦肉の策だったようだ。
「山岳信仰と浮世絵」など文化的価値
富士山は山岳信仰の対象としての宗教的特殊性や浮世絵の題材として描かれ、芸術的価値が海外にも影響を与えたというのが推薦理由だ。鎌倉は武家政権誕生の地としての歴史的価値のほか、茶道や禅を広めた文化的価値が推薦理由となった。
「なぜ自然遺産じゃなく文化遺産なの?」(キャスターのテリー伊藤)という疑問に、世界遺産検定1級の認定証を先月取得した本村健太郎(弁護士)がこんな解説をした。
「認定の基準が自然美だけでは難しい。絶滅危惧種がいるとか、独特の生態系があるとかを満たしていないと難しいので、文化遺産でいったんはいいという判断だろう」
推薦文は2月1日までにユネスコに提出され、専門家が現地を調査したうえで来年夏ごろ結論が出されるという。見通しはどうなのか。
本村「鎌倉は満を持しての推薦。富士山は練りにねって文化遺産として申請するので十分チャンスはある。8割方はいけると思う」
富士山に対する日本人の思いは、自然美だけでなく文化、芸術的な面も強いが、外国人がそこをどう判断できるか…。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト