まあ、こんな選手がいただろうか。米大リーグのレンジャーズ移籍が決まった日本ハムのダルビッシュ有投手(25)は、移籍の理由を真っ先にファンに伝えたいと、札幌ドームで会見した。1万人を超えるファンが初めてその理由を聞いた。
アメリカでの会見でも、移籍理由は「日本へ帰ってから話したい」と言っていた。他の多くの選手が口にするような「メジャーへの憧れ」ではなかった。
目標は「世界ナンバーワン投手」
「試合前から(対戦相手が)『投げないで』とか『無理だよ』『打てない』とかいうのを冗談でも聞いていると、フェアな対戦をしてないんじゃないかと引っかかっていた」
「勝負がしたかった。だんだんモチベーションを保っていくのが難しくなって、場所を変えないといけないのかなと思うようになった」
「日本の野球が下に見られているのが嫌だった。それを覆したい。世界中の誰もがナン バーワン投手はダルビッシュといわれるようになりたい」
何とも明快だ。日ハム在籍7年で93勝38敗、防御率1.99、沢村賞など数々のタイトルを手にしたが、さらに上を目指して移籍。そのメジャーでもトップを目指すと堂々たる宣言である。
「また札幌ドームに帰ってこられたらうれしい」
ファンも喜んだ。「ファンに最初にっていうのがダルビッシュらしい。感謝、ありがとうといいたい」「わが子を旅立たせるような気持ち」
そのファンには、7年間を振り返って「皆さんがいなければ今のボクはない」と言う。入団早々、喫煙で謹慎処分を受けたとき、「復帰後、温かく迎えてもらえてうれしかった。またここに帰ってこられたらうれしい」と話した。
東ちづる(俳優)「ますますファンになりました。向上心、探究心、若い人たちの刺激になったんじゃないか」
司会の羽鳥慎一「あのレベルまでいってるのに、さらなる向上心」
赤江珠緒キャスターまでが珍しく、「強い相手と戦いたいという本当の純粋な向上心というか…」と感激している。
神田瀧夢(タレント)「勝負をしたいというところがかっこいい。アメリカはスポーツだけじゃない、ハリウッドもオーディション、ビジネスでもすぐ首を切られたりして厳しいところ。ガチンコ勝負で名前をあげてもらいたい」
移籍金も破格だったが、他の日本人選手たちがだんだんに消耗していくなかで、まだ25歳。新しい時代を開いてもらいたいものだ。