選考委員だった石原都知事にケンカを売った格好の芥川賞作家の田中慎弥の地元・山口県下関市で生い立ちや近所の評判を聞きに行った。田中が30年間通い続けている理髪店の主人は、受賞会見の様子を「普段とは全然違う。多分、受賞して照れていたのだと思う」と話した。
事前の打ち合わせ無視して質問
キャスターの笠井信輔が田中の小学校時代のエピソードを紹介した。運動会で撮られた笑顔の田中の写真を見せながら、「まじめでおとなしい小学生で、とても釣りが上手だったようです。その反面、突然、人を驚かすようなこともあったようです」と話す。
高校時代の田中は新聞部に所属。高校の先輩で弟子の引退問題で揺れていた放駒親方にインタビューする機会があり、ここで一波乱が起きた。新聞部だった同級生はこんなエピソードを披露する。
「事前の打ち合わせでは引退問題には触れないでおこうということになっていたんです。それを田中は隙を見て切り出したので、ビックリしました」
小倉智昭「反骨精神なければ面白くない」
メインキャスターの小倉智昭「石原さんは、生意気で良いじゃないかと語っていましたが、確かに反骨精神がなければ面白い作品は書けないと思う。『共食い』は短いセンテンスもあれば、数行にわたる文章もあり、田中さん独自のスタイルでユニークな作品だ」
笠井「僕も引き込まれるように読みました」
「もらって当然」と言い放った田中慎弥、受賞後第1作が難しい。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト