ステレオタイプで描かれる日本人
ただ、描かれる人物像はかなりステレオタイプだ。日本人は傲慢で残虐だし、ロシア軍は人間への尊厳がみじんもない。ドイツ軍は冷酷なだけである。それだけに日本軍の描き方も、公開切腹やレイプなど日本人が見ると過剰とも思える描写が続く。そんな日本軍将兵ばかりではなかったからこの物語が成立しているわけなのだが、そのあたりの矛盾を残したまま映画は終わる。カン監督がステレオタイプで描いた狙いはどこにあるのだろう。韓国内向けということももちろんあるだろうが、欧米での公開を意識して日本人を「わかりやすい設定」にしたことが大きい。日本人の乱暴な描き方には反発も起きそうだ。
おススメ度☆
川端龍介