外の天気どう? 今日は何日?――こんな「迷惑110番」が増えている。全国の県警本部が昨年受けた110番通報は、前年比6万7000件増の855万9000件に達した。このうちの4分の1が「迷惑110番」だ。
「夫のギターうるさい」「エアコン壊れた」「ケーサツ鬼ごっこ」
茨城県警には1日600~700件の110番通報があるが、「『今日は何日で、何時何分ですか』『外の天気はどうなってるの?』など、だいたい3割近くが不要不急」と県警本部通信指令課の鈴木克哉警視は話す。このように、全国の県警が受けた「迷惑110番」の内容は呆れる。
★静岡県警に女性に声で真夜中にかかってきた110番通報。「ギターの音がうるさくて寝れないのよ。どうにかして頂戴」
近隣トラブルに発展しかねないと、警官が駆け付けると、女性の自宅2階で夫が奏でるギターの音だった。
★岐阜県警に真夏日の深夜に男性からかかってきた110番通報。「暑くて死ぬ」
警官が現場に急行すると、「お巡りさん、エアコンが壊れて暑くて死にそうなんです。電気屋さんが直してくれなくて、何とかしてよ」。「警察は家電の修理は行っていません」と言うと逆切れして、「熱中症になってもいいのかよ」。
★岐阜県警に女性からかかってきた110番通報。「なんだかこのへん物騒で怖いの、早くきて」
自宅に急行した警官に女性が話した。「3日ほど旅行に出かけて留守にするから、この辺をパトロールしてほしいの」
★深夜2時に携帯電話から少年の声で110番通報。「あっ、お巡りさん、夜なのに花火やっているヤツがいるんですよ。うるさくてかなわないので何とかして下さい」
警官が現場に急行し少年のグループに声をかけると、「そら、マジ来た。逃げろ」。少年たちは追い掛けてくる警官につかず離れず逃げながら、「トロいんだよ。そんなんじゃ犯人は捕まんないよ」。少年たちは「ケーサツ鬼ごっこ」と称して、この日3時間の間に6回もいたずら電話を繰り返していていた。2日後に携帯電話の通話記録から少年6人が逮捕され家裁送致となった。