きのう15日(2012年1月)のNHKの番組で、新任の田中直紀防衛相が米軍普天間飛行場の辺野古移転について、「年内に着工できるかどうかが当面の手順になっている」と述べて、周囲を驚かした。
民主党はこれまで沖縄の県民感情を考慮して、着工の時期には触れなかったのだが、事務当局のブリーフィングの内容をそのまましゃべったらしい。先のアセスメントの配布ですら大騒動になったというのに、無神経もいいところ。ニュースを見てないのかよといいたくなる。
経験は参院「外交防衛委員長」だけ
田中はあわてて「県民の納得がなければ手順は進まない。できないこともある」と訂正したが、同じ番組中で、PKO参加5原則と武器輸出3原則を取り違える発言もあって、「素人ぶり」を露呈した。
自民党の石原幹事長はただちに「(田中が)自民党時代を通しても、防衛問題のエキスパートであるという認識は持っておりません」と揺さぶった。野田首相のいう「最善最強」は早くもガタついた格好だ。
テレビ朝日政治部の山崎陽弘記者は「民主党は『最低でも県外』からこじれているので、もっと慎重でなければいけないのに、この発言は沖縄県民の神経を逆なでした。田中氏のこの分野での実績は、参院の外交防衛委員長というだけだ」という。
元共同通信記者の青木理は「長年議員をやっていて辺野古移設が実態としてほぼ不可能であることはわかってないといけない。防衛の素人というより、政治家として言ってはいけないことだ。また、PKO5原則と武器輸出3原則を取り違えるなんて論外だ」
司会の羽鳥慎一「なんでこういう人が選ばれるのかな」
山崎は「24日からの通常国会のため。代えないと野党が動かなかったから」
理由はもっと簡単だろう。小沢派にはろくな人材がいないと いうことだ。
ちなみに、週末にメディアが行った新内閣支持率は、朝日新聞29%、読売新聞、日経新聞37%、共同通信35.8%、ANN33.8%と低迷のままだった。改造のご祝儀アップすらなかった。