拉致事件などの容疑で逮捕されたオウム真理教の平田信容疑者(46)の17年近い逃亡生活の解明が急がれている最中のきょう10日(2012年1月)未明、東京・大崎署に平田と長年一緒にいたという女性が出頭した。
平田の滝本弁護士につきそわれて出頭した女性は、「元出家信者で東大阪から来た。長年、平田容疑者と一緒にいた」と話しているという。平田は1995年から仙台、福島などで女性と一緒にいたことがわかっているが、同じ女性かどうかはまだわからない。
瀧本弁護士に付き添われ警視庁・大崎署にけさ未明
平田は逃亡生活について「支援者に迷惑がかかる」と供述を拒否しているため、警視庁は各地の防犯カメラの映像などから足取りを追っている。これまでの捜査で、平田の姿が東海道新幹線・品川駅、新大阪駅、地下鉄・御堂筋線のなんば駅、天王寺駅、さらに近鉄・南大阪線の橿原神宮前駅で確認されている。
警視庁は平田の出頭当時の写真を公開して目撃情報を集めているが、橿原市ではすでにかなりの証言が出ている。カメラの取材にも「スーパーで見た」「目つきなどが印象に残った」「テレビを見てわかった」「目元とヒゲのむさ苦しい感じが同じ」など何人もが話した。
新大阪駅の映像では白いニット帽にマスク、イヤホンなどをつけているが、丸の内署に出頭した時はこれらは身につけていなかった。また、衣服のタグはすべて切り取られていて、購入場所がわからないようにしていた。
元警視庁の江藤史朗氏が解説した。
「一緒にいた女性は東北出身で、それが大阪からというのならずっと一緒だったことになる。(女性が出頭したのは)逮捕後の映像公開があると思う。これだけ映像を公表するのも珍しい」
かなり目立つ白いニット帽姿からは人目を避けている風は見られず、普通に生活していた可能性がある。警察も証言が得られやすいと判断したようだ。狙いは「手助けした人」だが、今回の女性はオウムの平田とわかっていて一緒にいたのか。また、逃亡中の2人の特別手配犯との接点はあるのか。
司会の羽鳥慎一「3人一緒ということは?」
江藤「考えにくい」
鮮明な防犯カメラ映像の効果
キャスターの赤江珠緒「麻原死刑囚に崇拝の気持ちはないと供述しながら、潜伏生活は語らないというのはどういうことでしょうか」
羽鳥「(麻原の)死刑執行を遅らせる目的ともいわれるが」
江藤「多数の容疑のうちの2つですから影響はない」
駅頭での写真の鮮明さについて、専門家は「金融機関にあるものと同程度」という。出頭した時の丸の内署の映像のひどさが際立つ。宮田佳代子(フリーキャスター)が「あんなにきれいに写るんだと、またあんなにカメラがあるんだとあらためて驚きました」
羽鳥「防犯なのか、監視なのかと思う人もいるかも」
江藤「警察はみな防犯カメラです。ただ、画像の解析技術が進みました」
膨大な映像からかくも短時間で割り出すというのは人力だけでは無理だ。羽鳥は「使い方ですよね。いい使い方をしてもらいたい」
いい使い方なんてあるのか?