なでしこジャパンの澤穂希選手(33)にまた一つ大きな勲章が輝いた。2011年の世界最優秀選手賞「バロンドール」を受賞したのだ。日本人としてはもちろん、アジアでも初めての快挙。佐々木則夫監督も女子の最優秀監督に選ばれた。
スイスのチューリッヒで日本時間のきょう10日(2012年1月)の午前3時から開かれた国際サッカー連盟(FIFA)の表彰式で発表された。司会の小倉智昭やアナウンサーの笠井信輔は、さっそくスイスの澤に電話した。
「サッカー協会と相談して園遊会でお世話になった2人の方」
小倉「おめでとうございます。自分の名前を呼ばれた時はどんな気持ちでしたか」
澤「心臓パクパク。信じられない気持ちで頭は真っ白でした」
小倉「映像を見ると、非常に落ち着いていましたよ」
澤「いえ、内心は非常にドキドキしていました」
小倉「横にいたブラジルのマルタ選手、口惜しそうでした。アメリカのワンバック選手と最終の3人に残った時は?」
澤「世界のスーパースターと肩を並べることができただけで満足していました」
小倉「受賞の挨拶は決めていたのですか」
澤「いやいや、全然」
小倉「これからがまた大変ですね」
澤「ロンドン五輪でも金メダルを取りたいと思っています」
笠井「着物での登場でしたね」
澤「サッカー協会と話し合って決めました」
小倉「スイスでの着付けはどなたがやったんですか」
澤「園遊会で着付けをしていただいた2人の方に一緒に来てもらいました」
小倉「監督のトロフィーより重いんですってね」
澤「2倍ぐらい重いです」
小倉「今度スタジオに持ってきてもらいたいですね」
澤「はい、ぜひスタジオに呼んでください」
審査はピッチ内外での「人間性」も基準
バロンドール選定には日本人の審査員もいる。その田村修一氏は審査基準は(1)個人としての成績(2)チームへの貢献度(3)人間性、だそうだ。特に(3)はピッチの内と外でのすべてが評価の対象になる。これがこの賞を権威付けているという。
アナウンサーの田中大貴によると、男子にはバロンドールの受賞者のいるチームはワールドカップに優勝できないという「バロンドールの呪縛」があるそうだ。過去の女子受賞者とオリンピックの関連を見ると、男子とは逆にメダルを取る確率が高いというデータがある。「ということは、女子の場合はバロンドールの女神がついているといえます。このままいくと2012年、澤選手はメダルが取れるという流れになっています」と期待を込めた仮説を披露した。