「やらせ」といえば、かつてのテレビの代名詞。いまやネットのやらせをテレビが大々的に取り上げる時代である。今朝(2012年1月6日)、「食べログ」のやらせ投稿問題を取り上げた番組だったが、やらせの手口について、既報を超えるような情報はなかった。
やらせじゃなくても「集団投票」簡単
そんな番組を寝惚け眼で見ながら、食べログの点数制度と精度についてぼんやりと考えていた。その仕組みは非公開だが、おそらくは投稿者の投稿件数や登録期間が大きくモノを言うのだろう。
ネットオークションなんかでも、長い間、取引を重ねてきた人間は信用度が高いとされる。しかし一対一の商取引で、なにかおかしなことをやれば、それは相手からダイレクトに評価されるが、食べ物やレストランの口コミ評価というのは間接的で、趣味的で曖昧だ。
もし「飲食店コンサルタント」的な方が、趣味と実益をかねて複数のアカウントを運用し、何百というレビューのなかに時折、「営業」のやらせ投稿を交ぜていたとして、それを口コミから見抜くことはなかなかむずかしいだろう。同じようなことを身内、部下同僚、友人などにやらせれば、高評価の10件や20件はすぐに集められる。レビュワーの「買収」などもありえるかもしれない。
「やっぱり、ネット上の情報は100%信用しないほうがいいなと昔から思ってましたけど。すべて」。スタジオではコメンテイターの吉川美代子TBS解説委員が、カサにかかってオグラ風の勝利宣言をしていた。
視聴者的には、やっぱり100%信用できるのはテレビの朝ズバッ!の情報!――とも思えないから困るところではある。