この冬のドラマは原作ものとオリジナル脚本がほぼ半々だ。小説や人気漫画のドラマ化は話の展開が分かっていて、それを役者どう演じるかが見どころの一つ。オリジナル脚本はストーリーがどう展開していくのかの楽しみがある。昨年のヒットドラマでいえば、「家政婦のミタ」や「マルモのおきて」はオリジナル脚本、「JIN-仁-」は原作漫画があった。さて、冬ドラマはどっちに期待できるか。
宮部みゆき、山崎豊子…一級の作家たちのドラマ
【原作ドラマ】
★「ステップファザー・ステップ」(TBS系月曜よる8時)
原作=宮部みゆき。ケチな盗みはやらないプライドの高い盗賊「俺」(上川隆也)が、不思議な体験をきっかけに、親に捨てられた双子の父親代わりに…。ストーリー展開の巧みさでは定評のある宮部作品だけに、ホームコメディーの中にもミステリーの面白さがいっぱい。
★「ストロベリーナイト(フジテレビ系火曜よる9時)
原作=誉田哲也。累計150万部を超える姫川玲子シリーズの「シンメトリー」「感染遊戯」「ソウルケイジ」などをベースにドラマ構成する。叩き上げの刑事・姫川(竹内結子)は警視庁捜査一課殺人捜査十係の班長で、縦に真っ二つにされた死体など奇怪な事件の捜査に当たる。
★「本日は大安なり」(NHK火曜よる10時55分)
原作=辻村深月。大手ホテルのウエディング担当の山井多香子(優香)は、結婚を邪魔しようとする脅迫電話や披露宴に最中に新婦を入れ替わろうという双子姉妹が現れたりと、もう毎日てんてこ舞い。先輩役に浅野ゆう子、支配人に石黒賢らがからむドタバタコメディー。
★「ダーティー・ママ」(日本テレビ系水曜よる10時)
原作=秦建日子。麻布南署刑事課強行盗犯係の丸岡高子(永作博美)は、シングルマザーの凄腕刑事だ。事件現場にベビーカーを押しながら現れ、1歳の息子と警察署内に寝泊りしている。新米刑事の長嶋葵(香里奈)は戸惑うことばかりだ。
★「聖なる怪物たち」(テレビ朝日系木曜よる9時)
原作=河原れん。大学病院のエリートコースから飛ばされてきた若手外科医・司馬健吾(岡田将男)は医者としての使命感にあふれていた。そんな司馬の活躍で暴かれる医師、看護婦、教育者など「聖職者」たちの打算やウソ。
★「運命の人」(TBS系日曜よる9時)
原作=山崎豊子。1971年から72年にかけての沖縄返還密約事件を題材にしたサスペンス。スクープ記者に本木雅弘、情報をもらす外務省事務官に真木よう子、時の首相に北大路欣也。果たして密約事件の真相にどこまで迫れるか。