未解決のまま11年目を迎えた東京・世田谷一家殺害事件で、新たな事実が浮かび上がった。2000年暮れの30日に起きたこの事件を振り返ると、改めて犯人の異常な行動と遺留品の多さに驚く。
未解決のまま11年
犯人は部屋を物色してタンスにあった現金を盗っているが、奇怪なのは翌日まで部屋に留まり、殺した夫の衣服に着替えて逃走した。部屋にあったパソコンを使ってインターネットを閲覧、冷蔵庫にあったアイスクリームを素手で食べている。
現場には犯人が脱ぎ捨てたグレーの帽子や緑のチェック入りマフラー、ラグランシャツのトレーナー(L)、黒のジャンパー、ボア付きの手袋、27.5センチの韓国製スニーカー、ヒップバッグまで残している。犯行中にケガをしたとみられ、血液(A型)や指紋まで残していた。
ジャンパーのポケットには三浦半島の三浦海岸、北下浦海岸、馬掘海岸のいずれかの砂があった。ヒップバッグには米ラスベガス近郊の砂漠のものとみられる砂が付着していた。
全国で130着売られ、52着が静岡県内の12店舗
今回、新たに分かったのはトレーナーの発売先。警視庁の調べで、このトレーナーは全国で130着が発売され、最も多い52着が静岡県内の12店舗で発売されていた。このため、警視庁は先週23日(2011年12月)にJR静岡駅構内でチラシを配布し情報提供を求めた。
大胆で凶悪な犯行からとても初犯とは思えないのだが、残された血液型や指紋から前科は見当たらないという。東大のロバート・キャンベル教授は「前科がないということは、日本では犯罪を犯していないということですよね。日本にいるのかどうか…」と話す。
ラスベガスの砂漠の砂といい、韓国製スニーカーといい、そもそも日本人の犯行なのかどうか…。