年が明けないのに、都内のデパートに早くも福袋がお目見えしている。「フライング福袋」というのだそうだ。集客にチエを絞るデフレ時代の歳末商戦のひとコマだ。大丸東京店が今年から始めた。といっても、目玉商品の入った初売りの福袋と違って、やや小ぶりで地味だ。中身の商品は日替わりで、きのう26日(2011年12月)は海苔、きょうはコーヒー、明日は輸入菓子。29日は蜂蜜、30日はレトルトカレー。いずれも2000円のものが半値の1000円で買える。
デパートの担当者は「今年は震災などつらいことがあり、日本も暗い気持ちになった年でしたが、来年の福を年内のうちに取ってしまおうということで」と話す。だが、売れ行きはイマイチのようで、「まだ在庫はございます」
贈った方ももらった方もなんかフクザツ…
それより客が殺到したのが、お歳暮処分セール。値段をチェックすると、醤油3150円が1575円、サラダ油5250円が2625円と軒並み半額。こちらは開店と同時に人があふれかえり、買い物カートにギフトセットの箱を山積みにする女性客が続出した。開店15分で汗だくになって買い込んでいる年配の婦人がいた。鰹節や醤油、コーヒーなど締めて3万7000円。
「1年間、うちで使いますよ。まだまだ持って帰れる程度のものを買って帰ります」
司会の小倉智昭が首をかしげながら、「まだお歳暮が届いている家だってあるんでしょう」と苦笑する。アナウンサーの中野美奈子が応じる。
「半額のものが届くことはないんでしょうね、さすがに」
小倉「そういうのが半額になっていると、贈る方ももらう方もなんかショックだね。それだったら最初から半額にしてチョーよ」
小倉らしい締め方だ。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト