「90億円の公務員宿舎が完成」という。驚いたが、札幌の「月寒東住宅」で、11階建て660戸。2年前の仕分け直前に着工したのだという。部屋は70平方メートルで家賃3万円(周辺の相場は10万円)と聞けば、やれやれと思う。
政府は24日(2011年12月)、来年度予算案を閣議決定した。一般歳出は90.3兆円(今年度92.4兆円)だが、これに震災復興の特別会計3.8兆円、交付国債2.6兆円が加わって、過去最高となった。
野田首相は「復興や除染が切れ目なく対応できるような措置をとった。日本再生元年予算」 というが、一般歳入のうち税収は42.3兆円、国債が44.2兆円、税外収入が3.7兆 円で、4年連続で借金が税収を上回った。おまけにマニフェスト総崩れ。
八ッ場ダム再開に中島政希議員離党「愚かな決定に怒りと涙」
新聞各紙は「危機感がなさすぎる」「まやかし」「消え失せた政権公約」「歳出削減は どうした」とボロクソだ。前原誠司・民主党政調会長まで「政権交代の理念が骨抜きになったことに責任を感じる」という始末。象徴的なのが「八ッ場ダムの建設再開」だ。前原は直前まで「認められない」と言っていたのが、官邸はあっさり国交省の再開の動きを認めてしまった。「八ッ場ダム中止」はマニフェストの目玉だった。長年、八ッ場ダム反対運動を続けてきた中島政希衆院議員(比例区・北関東)は離党届を出し、「愚かな決定に怒り涙を流す人たちと行動を共にする。逆に官僚主導が強まっている」と怒り心頭である。
歳入のうち、「交付国債は将来の消費税増税分を充当」というのにみんな引っかかった。石原良純(タレント)は「なんか危ない。将来の消費税を見越してということは決まっちゃってる」と話す。青木理(ジャーナリスト)は「一種の約束手形みたいなもので、消費税の先食いは間違いないし、また震災復興の中にも、全国の学校の耐震とかまでは入っていて、相当なごまかしがある」と言う。さらに、一般歳出の中には八ッ場ダム、整備新幹線、東京外環道路などの公共事業が入っている。
青木「高度成長期の自民党のバラマキに近くなっている。前原さんが言っていたように、政権交代の意味が問われている」。
司会の羽鳥慎一「官僚主導ですか?」
青木「野田政権は財務官僚主導の色が濃い。実態もそう」
自民党時代に逆戻りどころかもっと悪い
あらためて民主党のマニフェストを並べてみると、八ッ場ダム、子ども手当、高速道路無料化、議員定数削減、国家公務員の人件費削減、いずれもダメとなったわけだ。
羽鳥「全部は無理だとは思っても、全部できないとも思わなかった」
青木「国民の半分は消費税も仕方ないと思ってる。将来像を示して、だから増税ならわかるが、バラマキではね」
石原「新幹線や外環道は便利だけど、そんなお金はないとわかってる」
司会の赤江珠緒「外環道は1㍍ 作るのに8000万円かかる」
羽鳥「自民党に戻ったというより、もっと悪くなった」
前田典子(モデル)「じゃあ、維新の会とか?」
そう、いま地方で起っていることは、国よりひとつ先をいっている。