笠井信輔キャスターは「金正日総書記の急死がなければ、橋下大阪市長の永田町行脚のニュースはもっと大きく取り上げることができたのですが」と苦笑いする。今朝(2011年12月21日)も特集は北朝鮮ネタで、金正日の後継者とされる金正恩の素顔と実力を探った。
すでに「削ぎ落とし」の対象
金正日の遺体を前にして、金正恩は泣き出しそうな表情で頭を下げ、棺の周囲を1周した。ゲストの朴斗鎮・コリア国際研究所所長は「遺体に手向けられている花はキムジョンイル花と呼ばれ、いまから20年前に静岡県で開発されたもので、白い花は木蓮です」と解説した。
キャスターの小倉智昭は「総書記の死後、流される映像は正恩ばかりだが、上のお兄さん2人はどうしているの」
朴所長「北朝鮮では次の指導者が決定すると、残りの人間は兄弟であっても削ぎ落とされます。ですから、もう映像に出てくることはないでしょう。通常、指導者の遺体の映像が流されることはなく、今回あえて公開したのは金正恩が次の指導者であることを示すプロパガンダと思われます」
金正恩はスイスに留学したものの、卒業目前で退学した。北朝鮮研究家の関西大学経済学部の李英和教授は、「彼は外国語が苦手で退学したようです。あまり忍耐力がないということです」と話す。笠井が「射撃の名手といわれ、2歳の時から百発百中だったと言われています」と伝えると、小倉は思わず「嘘だろう!」
「正恩政権は短命」軍の支持得られずほどなく崩壊
最高指導者としての資質はどうなのか、李教授は「金正日が金日成の後継者となり、自分の権力基盤を固めるまでに23年かかっています。でも、金正恩はまだ1年余り。信じられる側近もいないし国民の支持もない。長くは持たないでしょう」と見る。
朴所長「金正日は重要な権力基盤である軍隊の支持を取り付けるために、30年かけて北朝鮮全土の部隊を回りました。軍部の支持を取り付けたいなら、軍の近代化を進めるのが早道です。でも、今の北朝鮮にはそれだけの資金がない。軍部が今後どう出るかの一点にかかっています」
乳母日傘で育てられた新首領さまはいつまで持つか。