道路に座り込んで歩道の石を叩きながら号泣したり、エスカレーターのベルトに縋り泣きじゃくったり…。北朝鮮メディアは金正日総書記の死に号泣する平壌市民の姿を連日流しているが、「やらせ」にしても異様だ。
脱北者「金日成のときは演技4割。今度はもっと多い」
脱北して韓国・ソウルに住む女性は、「金日成主席が亡くなったときは6割の人が本物の涙を流し、残りの4割は演技でした。でも、今回は演技の人の割合がもっと増えていると思います」と話す。
メインキャスターの小倉智昭は「みんな本当に泣いているのだろうか」とコリアレポートの辺真一編集長に聞く。
「泣いている市民のほとんどは、当局に動員された人々だと思います。その証拠に、綺麗に整列して泣いているでしょう。本当に悲しみが深ければ、集団でこのような整然とした泣き方はしないはずです」
朝鮮中央テレビ女性アナ「金正日がスカウトした元女優」
61日間姿を消し、突然現れた朝鮮中央テレビの看板女性アナのリ・チュンヒさんも、金正日死去の特別放送を涙を浮かべて伝えたが、関西大学経済学部の李英和教授は「あの涙もウソ」という。
「彼女はアナウンサーになる前は朝鮮を代表する女優で、その演技力は相当なものです。その女優をアナウンサーにスカウトしたのが金正日でした」と解説した。
コメンテーターの高木美保(女優・農芸家)「同じ女優として、あれだけ泣きそうになりながら、きちんと原稿が読めるというのは大変なこと。事前に自主トレでもやっていたのではと思えるほどです」
デーブ・スペクター(テレビプロデュサー)「一連の映像は北朝鮮の主観的な見方に基づいたもので客観性がない。それを平気で流し続けるというのは、考えてみれば恐ろしいこと」
世界は集団号泣演技に、いよいよ不気味さを感じているのではないか。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト