大阪市の橋下徹新市長がきのう19日(2011年12月)に就任した。公約の「大阪都構想」の実現に向けて、政府や与野党への協力要請のために、さっそく上京するなど精力的に動き出した。
「新しい大阪の形を目指すための万全の組織体制」
午前9時前、500人の職員の出迎えを受けて初登庁。平松邦夫前市長との引き継ぎでは終始笑顔を見せていたが、記者会見でこの日発表した89人の人事異動について、「報復人事と考えていいでしょうか」という質問が飛び出すと、「報復人事なんてことはまったく考えていません。新しい大阪の形を目指すための万全の組織体制が組めた」と反論、いつもの橋下節に戻った。
国との協議に関しても、橋下は「まったくこちらへの配慮もへったくれもないような国の態度で来るのであれば、市町村とみんな結託して、もう受給認定業務はやらない。大都市制度とか教育制度にしても生活保護行政にしても、まったく国が言うことを聞いてくれないというのであれば、それはもうこっちで国会議員を擁立して変えていかざるを得ない」などと、会見開始15分で早くもヒートアップした。
妙にへりくだる前原・民主党政調会長の異様
午後6時の国会内で民主党の前原誠司政調会長と会談した。
前原「もう市庁に初登庁されて?」
橋下「はい、そのまま伺いました」
前原は「大阪都構想は国にかかる問題ですので、与党として是非聞かせていただいて、協力できるところは協力させていただきたい」と市長選の時とは打って変わって低姿勢だった。
司会の小倉智昭は橋下のスタートダッシュについて、「市長になったとたんに人事異動ができるって、先遣隊でもいたんですかね」といぶかってみせた。
コメンテーターの深澤真紀(コラムニスト)「それまで府の知事だったのだからおかしいですよね。ただ、こういったインパクトの強いことをやったり言ったりして騒がれることが、橋下さんの思うツボ。中身をちゃんと見ていかないと…」
竹田圭吾(ニューズウイーク日本語版編集主幹)は前原政調会長との会談に触れながら、「中央の反応がこれでいいのか。こんな引いた状態でいいのか。もうちょっと国がぶつかるような気持ちで対応してほしい」と苦言を呈した。
小倉「地方が勝手にやりますよといったら政治が成り立たなくなる」
大阪維新、どこまでやるのか、当分、注目の的だ。