原発事故「収束宣言」辻褄合わせ―海外メディア「総理は欺いている」

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   野田首相が16日(2011年12月)に出した福島原発事故の「収束宣言」に日本中が首を傾げている。そもそも「冷温停止」だって怪しいというのに、「収束」が何を意味するのか。 半年前の約束をただ言葉だけなぞったものらしい。

   野田首相は原子炉が「冷温停止状態にある」として、「発電所の事故そのものは収束に至った」と述べた。30分の会見中、「冷温停止状態」という言葉を4回も使って「にはなりえた」「とはどういうことか」と説明したのだが、言葉自体が奇妙だという記者団の問いには答えられなかった。

溶けた燃料の状態わからず注水で温度下げているだけ

   「冷温停止」とは正常な原子炉に制御棒を挿入し水温を100度未満に安定させることを言う。しかし、福島第1原発では燃料棒どころか、溶け落ちた核燃料がどうなっているかすら定かでない。そこへ水を注入して温度をおさえているにすぎない。これを根拠に「収束」といっているのだ。

   放射性汚染の除染に取り組んでいる児玉龍彦東大教授は、「事故収束という言葉自体が変だ。全く意味をなしてない」「国民の信頼が全然ない。収束とはほど遠いものだ」と言う。河野太郎衆院議員(自民)は「意味がわからない。前に出した工程表の通りにいっているというアリバイづくり」とボロクソだ。細野・原発担当相は国際原子力機関(IAEA)で年内の冷温停止を宣言していた。

事故調査委委員長も「納得がいかない」

   浪江町から避難している人たちは「信用していない。放射能はこれからですよ」と言い、 佐藤雄平・福島県知事も「福島の状況を野田総理はお分かりになっているのかな」と話す。原発の作業員たちも「まだ無理だべな」「安心して作業できる状態じゃない」「ただ温度が下がっただけ。放射線量は変わってない」という。

   海外メディアも疑問の声が並ぶ。「悲惨さが少し収まっただけであり、問題が残されている」(ワイントン・ポスト紙)、「放射線量が高過ぎて、自由に建屋内にはいって調べることもできない。危機を脱したわけではない」(AFP)、「総理は日本国民と世界を欺いている。原発は依然不安定だ」(独ディーツァィト紙)、「日本政府は年内に安全宣言を出すことに固執すべきでない」(新華社)。

   司会の羽鳥慎一が「収束って何なの?」

   石原良純(タレント)「避難している人には家へ帰ることが収束。原発で働く人には安全に働ける状態でしょう。勝手に宣言されても困る」

   司会の赤江珠緒「事故調査委の委員長までが『収束宣言は納得がいかない』といってる」

   青木理(ジャーナリスト)「ようやく抑え込んでいるという状態。なのに原発を輸出するといってる。あらためて原発を考え直さないといけないときに滑稽ですよ」

   滑稽などじょうはマンガにも描きにくいか?

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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