テコンドーでロンドン・オリンピック出場を決めた笠原江梨香選手はさわやかな21歳だが、とにかく日本最強なのだ。先月(2011年11月)、タイのバンコクで開かれたアジア予選は3位以内が五輪出場枠だったが、見事準優勝した。テコンドーは韓国生まれの格闘技で、かかと落とし、まわし蹴りなど「足のボクシング」ともいわれるほど足技が多彩だ。
ジャブのように繰り出す左足の蹴り
長嶋一茂(スポーツキャスター)はさすがに詳しい。
「アンディー・フグさんのかかと落としはテコンドーのワザ。 ネリチャギというんです。足を腕のように自在に操らないといけない」
司会の羽鳥慎一「国内で敵なしという」
長嶋「ローキックが得意。テコンドーはローキックは使えないですよ」
羽鳥「笠原選手はスピード感がすごい」
長嶋「左足が強い。ジャブと同じで、左の蹴りが強くないと勝てない。それができてる」
その笠原選手を大東文化大のテコンドー部に訪ねた。いや、すごいスピードと多彩な足技だ。男子にもひけをとらないという。小学校1年で空手道場に入門した。 引っ込み思案を心配した両親が「半ば強制的に」やらせたのだという。月曜から土曜までは練習、日曜は試合という日々で、空手のジュニア大会で数々のタイトルを手にした。高校1年のときにテコンドーに転向。理由は「空手になくて、テコンドーにあったのがオリンピックだったから」だそうだ。転向1年目で初優勝。五輪強化選手になる。5年目にしてすでに全日本選手権2連覇だ。
メダル期待大!「表彰台にあがれるように精進したい」
蹴りの強さはどれくらいか。柔道初段の番組ディレクターが防具を付けて笠原の蹴りを受けた。胸に回し蹴り1発。身長179センチ、115キロの巨漢が倒れこそしなかったが、壁ぎわまで吹っ飛ばされた。
笠原は「始めたときから夢に見ていたので、五輪出場はすごくうれしい。表彰台にあがれるように精進したい」と話す。
司会の赤江珠緒が「かっこいいですね」
羽鳥「メダルはシドニーの銅以来なんですね」
長嶋「5年しかやってないのにここまで来たとなると、あと半年でもっと強くなる。楽しみですよね」
羽鳥は「将来結婚したら、ご主人は大変だ」などとあらぬ心配をする。それこそ余計なお世話というものだ。