グーグルが記録した失われた町「震災前と後」―被災者「見たい」「辛い」

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   グーグルが始めた「未来へのキオク」プロジェクトが被災地にじわじわと浸透している。 震災後の画像・映像は山ほどある。しかし、そこは震災前はどうだったか―。グーグルのストリートビューでこれが見られるからだ。

   未来へのキオク・プロジェクトには、テーマによる募集、写真・動画の提供などがあるが、 ストリートビューは従来のグーグルのサービスを生かしたものだ。一時はプライバシーの問題や勝手な情報収集が問題にもなったが、被災地 に関していえば、失われた町の姿が残っているのだ。

8メートルの巨大缶詰広告どこへ流された?

   グーグルは7月(2011年)に気仙沼から撮影を開始し、これまでに6県82市 町村が終わった。地図で見ると、宮城県の南部から岩手県の中程まで、海岸から内陸部までかなり入り込んだことろまでカバーしている。取材車の走行距離は4万4000キロになった。取材車は屋根に取り付けた360度カメラでストリートをあらゆる角度から撮影する。その実例を大西洋平アナがパソコンを使ってスタジオで見せた。

   気仙沼の市街地。現在の状況が写る。画面上部にある「震災前」という枠をクリックすると、同じ場所の震災前が出て来る。これは確かにすごい。被災者も「建物がなくなって、薄れていく記憶を思い出させてくれる。辛いけど、がんばろうという思いにもなる」という。

   石巻の名物「石水 鯨大和煮」の缶詰をかたどった巨大なタンクがあった。高さ8メートルほどの円筒形が缶詰と同じデザインに塗られていて、地域のシンボルでもあった。その前に立った人たちを撮った写真がユーモラスだ。震災前を見ると、たしかに巨大な缶詰が写っているが、現在は何もない。PC上で道路を北へたどってみると、約300メートル離れた道路脇に横倒しになっていた。津波でそこまで運ばれたのだ。

避難所、仮設住宅も「未来へのキオク」

   大西「赤江さん、わかりますか」

   司会の赤江珠緒「陸前高田の金剛寺ですね」

   取材で訪れた場所だった。お寺、避難所、仮設住宅も見える。赤江が知らない震災前の姿も「未来へのキオク」は見せてくれる。

   大西は「行ったことがなくても、個人的な思いから見たい場所というのはあると思う」

   司会の羽鳥慎一「知りたい、知りたくない、 両方あるでしょうね」

   藤巻幸夫(ライフスタイルプロデューサー)「使い方がよければ、未来のイメージ作りになるが、悪ければプライバシー問題にもなる」

   赤江「被災地の人たちも昔の映像があれば見たいと言っていた」

   吉永みち子(作家)「地域の人と縁のない私たちでは違うけど、何が失われたかを忘れないためにはいい。見るんじゃなくて知ることにもなる」

   先頃、共同通信が配信した震災各地の「同じ場所」の「震災時」「3か月後」「6か月後」の写真は世界中で評判になった。「震災前」があったら、反響はもっと大きかっただろう。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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