おととい12日(2011年12月)未明、韓国の経済的排他的水域で不法操業をしていた中国漁船で、船長が刃物を振り回して抵抗して乗り込んだ警察官1人を刺し殺し、もう1人に重傷を負わせた。笠井信輔アナは「中国漁船凶暴化の背景には、中国経済急成長の歪みがあると言われています」と語った。
海洋汚染悪化で近海漁業壊滅
中国人ジャーナリストの石平氏によると、「中国は急成長により産業廃棄物や汚染水が川から海へと流れ込み、中国沿岸部での漁業が成り立たなくなっていること。富裕層の食文化が魚中心に変わりつつあることが、違法操業を生んでいる」と言う。
笠井「中国の近海漁業がダメになったので、沖へ沖へと出て行かざるを得なくなったという事情があるようです」
以前起きた韓国警備艇と中国漁船の衝突VTRが流され、そこには漁船に乗り込もうとする韓国側に対し、鉄棒やスコップのような物を振り回して激しく抵抗する中国船員の姿が映っていた。
司会の小倉智昭「船員が振り回しているあの棒は、先を斜めに切って槍のような形をしているものもあるとか。それだけの装備を持って漁に出ているわけで、これでは衝突が起きてもおかしくはない」
海洋問題研究家の東海大海洋学部・山田吉彦教授に、小倉が未だに中国政府が謝罪をしない理由を尋ねた。
「政府が謝罪をすれば国と国との問題に発展しますから、個人的な事件として処理したいという意図が感じられます。中国漁船とベトナムやインドネシアなどの警備艇との衝突事件も南シナ海を中心に、これまで何回も起きています」
日本の漁場にも1日270隻も無法漁船
コメンテーターの高木美保(女優)が「海の汚染や乱獲で魚がとれなくなったというなら、養殖をするとか汚染を止めるなどいろいろなやり方があると思うけど、中国政府はそうした施策をしてないのですか」と質問する。
山田「中国政府のコントロールがきかなくなっています。最初は中国の海洋権益を拡大する手段として漁船団を使っていましたが、言うことを聞かなくなっています。政府は制御不能の状態です」
中国漁船は日本近海にもたびたび姿を現している。昨年(2010年)は1日に270隻も現れ、このうちの90隻は明らかな領海侵犯をしていたという。被害国としてはこのまま乱暴狼藉・無法を放っておくわけにはいかない。韓国は銃の使用規則を緩和するという。