イスラム寄りに舵切ったトルコ―アラブの春で周辺国と関係見直し

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「独裁政権倒れても友好維持できる」(首相側近)

   そのエルドラン首相の腹心として重要政策を立案、とくに外交戦略で中核的役割を担っているイブラヒム・カルン首席補佐官に国谷がインタビューした。

―どのような経済制裁を実行していくのですか。シリアの国民ではなく、アサド政権を追い詰めて行く方法はあるのですか。

「経済制裁はシリアに国民にも負担を掛けざるを得ません。たびたびの忠告にも耳をかさず、今も殺戮を繰り返している。とても残念ですが、他の選択肢が見つからないのです」

―市民の抗議行動に直面し、独裁的な政権は退陣に追い込まれています。アラブの春によってトルコは不利な立場に置かれているのではないでしょうか。

「あくまで私の見解ですが、逆にトルコはアラブの春によって利益を得る立場にあると思います。アラブ諸国は民主的に繁栄できると信じているからです。今後、ゼロプロブレムに変化はありません。
トルコは中東の独裁的な政権と関係を維持してきた唯一の国ですが、同時に全く別の外交チャンネルも築いてきました。その国の社会、一般の人々との結びつきも深めてきたのです。だから、政権が倒れても友好関係を維持できると信じています」

   3か国でキーパーソンのインタビューを終えた国谷は、最後に感想を次のように述べた。

「民主化が始まったばかりで不安定の状態が続く中、人々の熱いまなざしで議論する姿は2度と政治の過ちに翻弄されたくないという思いを見た気がします」

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2011年12月7日放送「激動 中東はどこへ(3)トルコ モダンイスラムの挑戦」

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