山口百恵の未公開写真集が「完全記録」と銘打ってソニー・マガジンズから出版される。3分冊1万5300円というお値段だが、予約受けつけの初日に5000件、 きのうまでの4日間に2万5000件という人気だ。
1980年10月に引退してから31年。当時21歳で、中学時代からの芸能生活は実質7年5か月にすぎない。翌年、俳優の三浦友和と結婚して、以来、表舞台に姿を見せることはなかった。
武道館「さよならコンサート」初めて公開される左ショット
写真集はすでに公開されているものの別カットもあれば、まったく表に出ていないものも多い。編集者は「現在入手できるものは全て集めました。 このジャケットにはこんな写真もあった、こんな表情もあったんだという驚きの連続になると思います」という。1978年のアルバム「THE BEST プレイバック」のジャケット写真は小首を傾げたポーズだが、同じ場面でカメラを見つめる憂い顔もある。
同じ年に53万枚のヒットとなった「いい日旅立ち」を撮った写真家の斉藤亢氏は、渋谷の撮影現場に立って、「時間がなくて15分 くらいだった」という。バックに写っている赤煉瓦の階段はいまもそのままだ。そのプロデューサー酒井政利氏は「この頃には彼女の方が写真に挑んでいた。アイデアは出さないがヒントは出す。お好きなものを選んで下さいといわんばかりの…」と言いながら、篠山紀信のカットを指して「14歳になったばかりの」と注文を付けた。それがセーラー服で左腕をおでこに当てているショットだ。
80年の日本武道館の「さよならコンサート」の未公開写真もある。マイクを置く百恵を「左側から撮った写真はこれが始めて」と編集者。司会の羽鳥慎一が「ほとんどが10代の写真で、最後のが21歳」と言うと、赤江珠緒が「ニジュウイチ !!」と驚く。
660ページ、重量2キロ、箱入り
写真集は30x30cmのLPアルバムサイズで、3冊セット箱入りで660ページ、重量2キロ。 写真は1000点以上でうち200点 が未公開だ。
長嶋一茂(スポーツキャスター)「すごいな」
吉永みち子(作家)「中学生が変貌を遂げて、これからというときにやめてしまった」
羽鳥「以後1回も出てこない」
長嶋「それが伝説になる。スーパースターの去り際の美学としても、絶頂のときに辞めてる。たとえば、王さんにしてもうちの父でも体力的に落ちて辞めてるが、百恵さんはそうじゃない」と言ってから、「これ買うわ。安くはないけど、青春を蘇らす」(大笑い)