明治の粉ミルク「ステップ」から放射性セシウムが見つかり、製品の回収が急がれている。最大で1キロ当 り30・8ベクレルと暫定基準値(200ベクレル)を大きく下回るが、原料の9割は海外産、1割は北海道なのになぜ混入されていたのか。
ただちに明治に連絡し素早い対応
セシウムが検出された粉ミルクを生産していたのは埼玉・春日部市の工場で、乾燥工程で高温にした外気を使う。3月12日~14日(2011年)の福島原発の爆発事故のあと生産されたもので、この段階で汚染を取り込んだとみられている。
明治が製品を検査したのは3月21日で、この時は検出されなかったため異常なしと判断し、その後も検査は月に1回程度だった。回収対象になったのはそれ以前の3月14日~20日に製造されたものだった。混入を突き止めたのは福島・二本松市の真行寺の副住職・佐々木道範さんだった。NPO法人「TEAM二本松」の理事長でもある。全国から募ったカンパで約500万円の微量放射能測定装置を購入し、独自に食品の検査を行っている過程で粉ミルクが引っかかった。
お寺は原発から約50キロ。妻と4人の子どもと住んでいるが、「毎日、外部被ばくをしている福島の人たちだからこそ、食べ物ではゼロであってほしいな」という思いからの活動だった。佐々木さんは「びっくりして、なんとか赤ちゃんの口に入らないように」と明治に連絡。明治も素早く対応した。
どこから入ってくるかわからない飛散放射能
子どもを持つ立花胡桃(タレント)は「これは生後9か月からフォローアップに使うもので、フォローアップは『ステップ』というくらいメジャーなもので、使っている人は多いからショックを受けていると思う」と話す。
明治は「ステップ」と「ほほえみ」の2種類を販売しているが、ともに人気商品で、問題の期間は「ステップ」だけを作っていたという。
明治が製品を検査した21日は関東一円で放射線量が高かったのに、なぜ検出されなかったのかクビを傾げている。専門家は21日は雨が降ったため、空気中の放射性物質が洗われてしまったのではないかという。
田中喜代重(弁護士)は「1か月に1回の検査というのは少ない。毎日でもやってるのかと思っていた」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「これまでは原料が大丈夫ならと思われてきたが、放射能はまき散らされてしまったんで、どんな経路で入ってくるかわからない。口に入れるものは細かく検査するよう認識を変える必要がある」
司会の赤江珠緒「胡桃さん。赤ちゃんにはとくに」
立花「母乳だと自分が被ばくしているかもしれないからと、粉ミルクに代えた人もいるから」
司会の羽鳥慎一は「とにかく検査するしかない」と締めくくったが、ちょっと無頓着ではないか。春日部の人たちはミルク工場と同じ空気を吸っていたはず。春日部は原発から何㌔離れているのかな。汚染の広がりにもう少し驚いてもらわないと…。