豚汁だけの食堂で深夜に語られる人間模様。丁寧な作りに満足感

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常連客は綾田俊樹、不破万作、宇野祥平、松尾諭、オダギリジョー

   常連にベテランゲイの小寿々(綾田俊樹)、忠さん(不破万作)、小道(宇野祥平)、五郎(松尾諭)らがいて、とりとめない会話をしながら飲み、かつ食っている。たまにゾロリとした着物姿のカタギリ(オダギリジョー)がすみっこでわけのわからない独り言を言っている。

   そこに毎回ワケあり客が登場し、好きな料理を注文して、それにまつわる人間模様が描かれるという、凝った作りになっている。赤いウィンナのタコを注文する地回り(松重豊)とか、煮こごりを所望するソープ嬢(伊藤歩)とか。場所柄、歌舞伎町で働く客が来る。キャバクラでバイトしながら就活していた女子大生(朝倉あき)は、内定を経歴がバレて取り消され、やむなくデリヘル嬢を始めたが、呼ばれた先にいた客は10年前に家を出た父親だった。ふーん、キャバクラのバイト歴って内定取り消しの理由になるんだ。

   それでも、おしまいにはみんなハッピーエンド。それがわざとらしくないのがいい。一抹のほろ苦さと人間の切なさ、いとおしさを残して終わる。

   また、最後にその回で作った料理のコツを教えてくれるのも役に立ちそうでうれしい。とにかく、こんな店があったら行きたい。

文   カモノ・ハシ
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