きのう4日(2011年12月)に行われた第65回福岡国際マラソンは、一般参加で初マラソンのケニアのダビリ(26)がぶっちぎりで優勝、日本勢では埼玉の市民ランナー川内優輝(24)が3位に入り、五輪代表に名乗りを上げた。
本人も「福岡国際は調整。このタイムではまだまだ」
川内はゴールと同時にぶっ倒れるのはこの日も同じだった。20キロ過ぎで先頭から遅れたが、38キロで今井正人(トヨタ自動車九州)と前田和浩(九電工)に追いつき、39キロで今井を振り切ってそのままゴールした。ただ、タイムは2時間9分57秒と、トップとの差は2分21秒もあった。2月の東京マラソンの自己タイムより1分遅い。自身も「今回は調整中」といい、「このタイムではまだまだ、次の東京で何とか…」という。確かにダビリのレベルでないと世界には通用しない。
埼玉県の高校の事務職員だ。定時制なので勤務時間が午後0時45分から午後9時、練習は出勤前に20キロほどを走るだけだ。土日には30~40キロをこなすが、実業団の選手の半分だという。そこで、レース参加も実践練習にしているという異色である。最大の武器はラストスパート。「負けたくない」という気持ちだという。
司会の羽鳥慎一が「見ていてこっちまで力 が入っちゃう」という。解説の増田明美も「限界を超えてがんばれる。野武士のような」という。「かつて日本のマラソンが強かったころを思わせる。新しい時代を作ってくれるような気がする」と期待をかける。たしかに、この日もスパートをかけた給水ポイントで水をかぶりながら「いくぞー」と叫んでいた。そういう荒々しい空気をもっている選手は長らくマラソン界にいなかった。
本物のアマチュアに冷たい陸連
陸連は「内容、記録とも世界で戦うにはさびしい」と厳しい。代表選考には2月の東京マラソン、3月のびわ湖毎日マラソンがあるが、増田は「2時間8分台はほしいが、(川内は)感覚的にはいけるんじゃないか」という。川内は東京マラソンの目標は2時間7分台としている
石原良純(タレント)「東京マラソンで勝負といってますよね」
羽鳥「市民ランナーでこれだけがんばってるんだから」
青木理(ジャーナリスト)「企業が金をかけるんじゃなくて、アマチュアはオリンピックの原点ですよ。がんばってほしいし、陸連は冷たいですね」
石原「ロンドンで中継されるのをみたい。あと半年でなんとか」