「11月6日、東電の会見で、平等党の田中さんという方が、東京都のがれき焼却の受注が東電の子会社だということを指摘し、なぜそのようなことになったのかを質問した。そしたら、東電の方から会見の出入り禁止を言い渡された」(「週刊朝日」連載・室井佑月の「しがみつく女」から)
岩手のがれき東京受け入れ―処理業者は東電子会社
処分するのは岩手県のがれきで、そのためにかかる費用は約70億円。田中の追及で、東電子会社「東京臨海リサイクルパワー」が、放射性物質を含んだがれき処理に対して特別な技術力があるわけではないことも明らかになった。これは東京都とがれき処分業者、東電の馴れ合い『談合』ではないのか。
この問題について報じた新聞は東京新聞一紙だけのようである。テレビなどに期待してはいないが、新聞も相変わらず東電や政府いうことをそのまま垂れ流して恥じることがない。
一番驚いたのは、東電が11月28日(2011年)に福島第1原発の吉田昌郎所長(56)が、24日から病気療養のため入院していることを明らかにしたときである。病名を非公開にしたのは個人情報保護のためだとしたが、これに異を唱えたメディアはいなかったようである。おかしいと思わないか。福島第1原発事故の現場責任者である吉田所長が、どのような症状で入院し、その病名が何かは、いまの日本人最大の関心事である。これまで受けた放線量はどれぐらいなのかを含めて発表することは、まさに国民の知る権利に応えることである。
個人情報保護などという法律を盾に、隠蔽しようという姑息な東電の態度を叱責し、情報公開させることこそ報道に携わる人間の使命ではないのか。東電側が嫌がっているだけで、原発事故以来全力を挙げて処理に取り組んできた吉田所長は、むしろ公開されることを望んでいるのではないだろうか。
某紙のように、「福島第1原発の吉田所長 病気療養は『被曝と関係ない』」と、東電側の発表を鵜呑みにして流すだけなら、記者など必要ない。小学生にテープレコーダーを持たせておけばいいのだ。