富士山を遠見できる季節となった。いまでは「富士見坂」「富士見通り」など地名だけになったしまったが、東京には富士山を望める場所がたくさんあった。気象予報士の天達武史が冬ならではの都心の富士絶景ポイント探しに。なぜ冬に富士山が遠望できるか。そこは気象予報士、こんな解説から入った。
富士見橋、富士見坂に出かけたけれど
天達武史「日本海側から太平洋側に向けて吹くからっ風によって、空気中のホコリや水蒸気が吹き飛ばされ、冬の晴れた日はクッキリと富士山が見える」
富士山が見える橋があるというウワサを頼りに訪れたのが世田谷区内の住宅街。残念、富士周辺に雲がかかって予報ははずれ。次に、都内に20数か所ある富士見坂のうち、今も富士山を半分ほど遠望できるという荒川区日暮里の富士見坂に。しかし、靄っているのか「晴れているのに見えないですね」
そこで助っ人登場。長年、富士山観測に情熱を燃やしている筑波大付属高校の田代博教諭(地理)が教えてくれたのは、文京区の「文京シビックセンター」25階にある展望ラウンジ(無料)。新宿副都心の高層ビルの合間にクッキリ見えるはずだったが、この日はまったくダメ。
足立区の舎人公園からダイヤモンド富士
丸1日足を棒にして、天達が最後に訪れたのは足立区の舎人公園。午後4時18分ごろ、夕陽が山頂の少し左側に沈んでいくダイヤモンド富士が見えると、「富士さんが出た、出た、幸せ」と大はしゃぎだ。
都心から外れたJR国立駅や八王子駅ビルなどでは、この季節午後4時過ぎになるとよくダイヤモンド富士が見えるという。
文
モンブラン