師走恒例の今年の「新語・流行語大賞」、では世界各国の今年の流行語はなんなのか。「とくダネ!」が追いかけ、笠井信輔アナが報告した。民主化の動きが急だったアラブ、財政破綻の危機にひんしたEU諸国では、どんな流行語が今年を象徴したのだろう。
カダフィが口走った「ザンガ」。危機のギリシャはそのものズバリ…
「アラブの春」の先駆けとなったチュニジアでは、「一番流行ったのは『デガージュ』だよ。デモやストの時は大人から子供までよく使ったよ」と人々は言う。デガージュはフランス語で「出ていけ」という意味で、デモ隊が政権に向かって盛んに連呼したという。
もう一つチュニジアで流行ったのは「ザンガ ザンガ」。「リビアから入ってきた言葉で、カダフィの言い方が可笑しかった」のでみんなが使うようになったという。カダフィ大佐が反政府勢力に対し一人残らず制圧すると発表し、その演説で「リビアをきれいにするんだ、隅々まで。家々、路地、人々…」としゃべった。ザンガはこの路地のことで、そこから派生して「隅々まで」となった。いまでは「どこへ行ってきた?」「ザンガ ザンガ」とか、携帯電話の着メロにも使われている。
地中海を飛んでギリシャで流行ったのは「クリシ」と「デンイパル」だという。クリシは危機のことで、デンイパルは「何もない」という意味。併せて使うと、お金も仕事もない危機的状況というわけか。
危機的状況はあまり変わらないはずのお隣イタリアはやはり楽天的というか快楽的で、「流行ったのは間違いなくブンガ ブンガですね」という。流行らせたのはあのベルルスコーニ前首相で、ベルルスコーニが別荘で開くいかがわしい秘密パーティーの名前という。若い美女を見ると、「あんた本当に立派だね。ブンガ ブンガに誘いたいくらい」を連発しているらしい。今では歌まであり、Tシャツや栄養ドリンク剤まで登場して売れているというから笑える。
中国は「親のすねかじり族」
中国で流行っているのは「ケンラオズー」で、意味は「親のすねかじり族」。一人っ子政策でいくつになっても親を頼る息子が多い。裁判沙汰になった典型的な例が、年金生活の70歳代の老夫婦のもとを離れない40歳代の息子夫婦。親の年金月額1000元の倍も収入があるのに、一緒に住まわせてと離れない。裁判の結果はケンラオズーは親元から出ていけだった。
あまりに多いすねかじり族に、江蘇省では「高齢者に経済援助を求めてはならない」という条例を制定したという。
タレントの眞鍋かをり「情けない。親に仕送りしなきゃいけない年なのに…」
司会の小倉智昭「日本もいつか来るかも」