街のあちこちをウネウネとはう黒いパイプ。井口成人リポーターが「なんだ、これは!」と驚きの声を上げた。パイプの正体は仮設の水道管。東日本大震災による液状化現象で破壊された上下水道の復旧工事がなかなかはかどらない。井口が訪れたのは茨城県潮来市と神栖市の2か所だ。
自治体小さく復旧工事が進まない
潮来市の民家で仮設の水道管から送られてくる水の温度を測ってみると10度前後。「これは冷たすぎる」と井口。住人の老婦人は「水道の水を使って食器洗いや調理をしていると、手が痺れてくる」と冷たさを訴えた。
神栖市に水を供給している鰐川浄水場ではポンプなど主要設備が入った棟は浮き上がり、周囲は地盤地下をしている。
司会の羽鳥慎一「被災地というと福島や岩手、宮城の3県がまず頭に浮かびますが、茨城も被災地なのですよね。復旧工事の遅れは町の規模と関係があるのではないですか」
テレビ朝日報道局経済部の田畑正経済部長「町の規模が小さいところは、その分、自治体の負担が大きくなります。結果、復旧工事も遅れがちになりますね」
東北地方は水道管にニクロム線
井口「住民の方がいま心配しているのは、剥き出しになったままの水道管の凍結と破裂です」
コメンテーターの神田瀧夢(俳優)「国が協力して、小さな自治体でも復興・復旧工事を早められないのですか」
田畑「そのために組まれたのが第3次補正予算です。でも、どうしても東北地方の被災地優先になってしまうという現実があります」
井口「東北地方の水道は、被災前から水道管にニクロム線などを巻き、電気を通して凍結を防ぐなどの寒さ対策が講じられています。でも、茨城ではそこまでの対策が取られていません」
大震災の年の冬、予想していなかった被害がまだまだ出そうだ。