沖縄防衛局長「暴言」琉球新報だけ報道―他紙の記者は聞き流した?

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   田中聡・沖縄防衛局長がきのう29日(2011年11月)に失言で更迭された。那覇市内の居酒屋で記者たちと懇親会を開き、そこでとんでもない低レベルの発言をした。本来はオフレコだが、琉球新報がこれを報道した。沖縄の記者には許せない発言だった。

「記者懇談のオフレコでも許されない」判断

   普天間飛行場移転のため、移設先の名護市辺野古の環境影響評価書を沖縄県に提出する準備が進んでいるが、辺野古移転に反対する沖縄県議会は評価書を提出しないよう求める意見書を全会一致で可決している。

   防衛省が提出期限を明言しない理由を記者に問われて田中が答えたのだが、例によって少しづつ言葉が食い違う。琉球新報は「これから犯す前に犯しますよといいますか」と言ったと書いた。田中は一川防衛相らの聴取に「やる前にやるとか、いつ頃やるとかいえない。いきなりは乱暴だし、丁寧にやる必要がある。乱暴にすれば、男女関係なら犯罪になると言った記憶がある。犯すと言った記憶はない」と話したという。

   琉球新報はオフレコを破った理由を「公共性、公益性があると判断して報道に踏み切った。発言は人権感覚を欠き、政府の沖縄に対する強権的なあり方を象徴していると受け止めた」としている。言葉はともかく、沖縄の記者たちの神経を逆なでしたことは確かだ。

   県民も「正直いって、またかという感じ」「人間性を表しているので、更迭は当然」という。沖縄選出の議員も田中の更迭を防衛相に要望した。「はらわたが煮えくり返る思い」(照屋寛徳・民主党国対委員長)

   閣僚も「報道の通りなら、看過できない」(藤村官房長官)、「言語道断」(玄葉外相)と手厳しい。野党は「とんでもない発言。罷免に値する」(石原・自民幹事長)。

   更迭を発表した一川防衛相は「報道された内容に近いやり取りがあったことを本人も認めているので、彼に沖縄の業務を担当させるわけにはいかない」と語った。年内に評価書提出の方針は変更しないとしたが、沖縄が辺野古受け入れを拒否している以上、手続きが通るのは望み薄だ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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