「新しい市長になるわけですから、新市長の指示には従わないと」と大阪市の職員は苦笑い。既存政党の民主・自民の後押しを受けた現職の平松邦夫市長と前大阪府知事だった橋下徹氏との一騎打ちとなった大阪市長選挙。橋下勝利で終わったが、その影響は中央政界にも微妙な影響を及ぼしている。
民主、自民ラブコール
民主党幹部は「大阪維新の会に対立候補を立てられたら、自分も落選し民主党はダメになる」という。自民党の谷垣総裁も「大阪都構想はよく分からないので検討したい」と戸惑い気味だ。橋下勝利によって愛知県や新潟県などでも地方独自の動きが活発化する可能性が高いと見られている。テレビ朝日政治部の山下達也記者が解説する。
「橋下ショックで永田町は震え上がっている。水面下でさまざまな動きが始まっていて、民主や自民は密かに橋下さんにラブコールを送っている。みんなの党の渡辺喜美さんも維新の会の人気にあやかりたいと橋下さんに急接近しています」
コメンテーターの舘野晴彦(「ゲーテ」発行人&編集長)は「いまでも橋下さんは独裁者ではと危惧する雰囲気が残っているようだが、独裁批判をいつまで続けるのか。独裁議論ではなく、大阪市改革の足を引っ張るのは誰なのかを見極めて、もっと前向きに橋下市政の今後を考えるべきだ」と話す。
宮田佳代子(フリーキャスター)「ひと口にリーダーといっても、平時のリーダーと有事のリーダーがいる。有事のリーダーは自分が先頭に立ち、みんなを引っ張っていく指導力が必要。橋下さんに求められているのはその指導力だと思う」
ひと皮めくれば、来年春には衆院解散・総選挙の可能性が高い。とにかく橋下人気に乗っておかないとという計算だろう。
文
ナオジン