飛び出し自転車に実刑判決!死亡した被害者の補償は…

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「オレが悪いんですか。向こうが車で殺したんですよ」

   判決を聞いて、男はこう開き直った。タンクローリーが歩道の男性2人をはねて死亡させた交通事故の判決が28日(2011年11月)にあった。有罪判決を受けたのは自転車に乗っていた60歳の男性だった。

裁判長「信号無視した行為は安易かつ身勝手」

   事故があったのは今年5月。大阪市内の国道でタンクローリー車が歩道に乗り上げ49歳と75歳の男性が死亡した。なぜ歩道に乗り上げたのか。運転手は「隣の車線を走っていたワゴン車が急に車線変更をしてきたので左にハンドルを切った」ためと陳述した。ワゴン車は右側から飛び出してきた自転車を避けようとしたのだった。

   タンクローリーとワゴン車のドライバーが逮捕されたが、処分保留のまま釈放され、自転車に乗っていた越智茂が重過失致死罪で逮捕・起訴され、禁錮2年の実刑判決が言い渡された。裁判長は「注意欠如は甚だしいばかりか、信号待ちという当然の事柄を嫌がり、周囲の交通に大きな影響を及ぼす行為に自ら進んで出たもので、安易かつ身勝手である」と断を下した。

   若狭勝弁護士(元東京地検特捜部副部長)「亡くなった人の死亡原因と自転車の無謀運転との結びつき、因果関係を直接的に断罪した異例の判決。最近の自転車の危険性を踏まえたうえでの判決と言っていい」

クルマなら自賠責保険あるが…

   目に余る自転車のルール無視。処罰を受けるのも当然という時代状況になってきたのだろうが、ただ亡くなった被害者の補償はどうなるのかの問題が残っている。司会の小倉智昭は「タンクローリーは自賠責などの保険に加入しているはずだが、その保険の適用はあるものなの」と聞く。これに「Newsweek日本語版編集主幹」の竹田圭吾が次のように答えた。

「この賠償、補償は大きな問題ですね。タンクローリー車のドライバーが刑事責任を問われなければ、保険会社も保険は出せませんとなる。自転車に乗っていた人に支払い能力がなければ金が入らないことになるんで、そこまでセットで考える必要がある」

   自転車はルールを守り周囲に気配りしながら乗っていれば事故は起きないのだが、そのルールがまだ滅茶苦茶…。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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