「私は絶対風邪ひかないの」多作の還暦画家ヒミツはゴルフと社交ダンス

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   絶対に風邪をひいてはいけない時に、風邪をひいたらどうする?

その1:休む。
その2:休む。
その3:休む。
その4:這ってでもなんとか仕事をする。
その5:風邪をひかないように毎日コンディションを整える。

   「それが、大人ってもんでしょ。何甘えてんの!」お叱りの声が聞こえてきそうで、怖い怖い。

   ある著名な女性画家が私は絶対に風邪をひかないと仰っていた。多い時は1000点もの作品を制作する彼女は、体調を崩さないよう細心の注意を払いながら、30年近く世に作品を送り続けている。一番肝心なのは体力づくりという。といっても、ランニングなどはせず、ゴルフや社交ダンスにいそしんでいるという。「社交ダンスは男と女の会話よ」とさらりと言ってのける。そんな彼女は来年還暦。やだ、ウチのお母さんと同じ年齢。話を伺いながら椅子からズルっと落ちそうになってしまった。

   彼女はいくら腰が冷えても絶対に母のようなデカパンツは穿いてないだろうな。重力に逆らえなくなる体をデカパンツでカバーしたくないから、なんとか重力に抵抗できるお尻を保つようにストレッチに精を出すとか、ストイックにいろいろとやっていらっしゃるんじゃないかしら? 微笑して話す彼女の横で、不謹慎にもそんなことを勝手に想像してしまった。ゴメンナサイ……。

自分で作ったルールを自分で破る楽しさ

   毎日早朝5時に起きてウォーキングをする。そんなエッセイストの女性もいる。春夏は4時、秋冬は5時に起床。1時間近くウォーキングをした後、そのまま仕事を2時間ほどして、ようやく朝食をとる。食に関するエッセイが多い彼女のことだから、さぞかし豪勢な食事をしているのかと思ったら、体が軽い状態が自分にとってベストだと、普段の食事はいたってシンプル。

   朝食が一番ボリュームが多く、昼食は執筆最中のことが多いので食べないこともある。食べてもおにぎり1つに漬物とお水だけ。そのまま仕事を続け、3時ごろになると気分転換も兼ねてまた1時間ほど散歩。お腹が空いているときに歩くと、空腹感がなぜか解消されて、その後も食べなくても平気だということを発見したんだそうだ。お腹がすいたらズンズン歩く。きっとお腹が空いていたと思っていた脳が錯覚を起こすんじゃないかな。そして再び仕事をして、夜も軽めにチャチャっと済ます。

「早朝にシャキっと起きられなくなってしまいますからね」

   恐れ入りました。そうでなくっちゃフリーランスはつとまらない。自己管理こそが最大の業務であり、仕事をするうえでのマナー。そう考えると彼女たちはお手本中の手本だ。

   自分で作ったルールを自分で破っていくのも楽しいよと語る女性もいる。メイクアップアーティストの彼女はかつて早朝ウォーキングに励んでいた。朝の新鮮な空気に包まれ、1日が始まる瞬間をとらえたようで嬉しかったんだそうだ。でも、やっぱりネムイ。前の晩遅くまで仕事をしていた、飲んでいた…起きられない。そんなこんなで早朝ウォーキングは休止。それでいい。そんな自分が逆にベストな状態なのかもしれないとアッケラカンと言い切った。

   私は彼女のようなタイプ。こういうふうに言ってくれる先輩がいないと困る。「女性としてダメなんじゃないか」と思い込んでしまうから。風邪ひきかけの私は、ふと先輩たちの言葉を反芻しながら、なんとか風邪をこじらせまいと必死だ。

モジョっこ

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