16年の歳月を費やしたオウム真理教事件の裁判が21日(2011年11月)にようやく終結した。地下鉄サリン事件当時、現場から生中継を行った笠井信輔アナが取り上げたが、スタジオに生出演した江川紹子さん(ジャーナリスト)の話が印象に残る。
オウム事件の最後の裁判は、サリン製造に関与し殺人などの罪に問われた遠藤誠一被告の上告審。最高裁は遠藤の上告を退け死刑が確定した。
これで麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚(56)ら13人の死刑囚の死刑執行を待つだけとなった。16年経た今日でも教祖への帰依がまだ続き、13人が『殉教者』になりかねないなかでの執行は難しい。
江川紹子「教祖より先に弟子ではいけない」
死刑執行はやはり張本人の松本が最初ということになるのだろうか。江川も「死刑執行に関しては、順番を間違えないようにしてほしい。教祖より先に弟子が執行されるようなことがあってはならない」という。
「アレフ」などに団体名は変えたが、信者たちの「麻原回帰」の動きはむしろ広がっているという。番組スタッフがオウムの拠点だった富士山麓の旧上九一色村に元オウム真理教対策委員会の竹内精一(83)を訪ねた。竹内は今春、驚く光景に出くわした。2台のワゴン車が道端に停まっていて、15人ほどの若い人たちが富士山を見て写真を撮っていた。「ここがどういう場所か知っているか」と聞くと「知りません」という。そこへアレフの幹部の荒木博が出てきて、「若い人たちが見たいというので連れてきた」と言ったという。
現在、オウム後継団体の施設が15都道府県に32か所ある。「アレフ」が24か所、「ひかりの輪」が8か所、信者も合わせて1200人以上、資産は4億円もあるという。