経済的な指標とはまた別に、幸福度が高いとされるブータンの国王夫妻来日の話題で、司会の加藤浩次が幸福についてのありがちなテーマを持ち出した。「日本は経済発展してきましたけど、幸福度となると、またちょっと違うのかなって」
回答者は、コメンテイターの勝谷誠彦である。ブータンを訪ねた思い出を語ったり、国王が「被災地行って、手を合わせて下さって、涙が出るような気持ちでした」などと涙ぐまんばかりに感謝したあと、コメントは急転直下で本論へ。
「(夫妻歓迎の)晩餐会に閣僚4人のバカヤローが欠席しやがって! テメーのどうでもいいような民主党のパーティーが大事だっていって、一川って、おまえ…(聞き取り不能)…防衛大臣だよ! こんなやつ国の恥ですね! それが今日言いたかった」
近ごろ出番なし
主婦向けのエンターテイメント路線・マイルドテイスト志向を強めるこの番組では、勝谷が顔を赤くしてまくしたてるシーン(それはかつての定番であった)は激減した。そもそもお得意の政治・国際(隣国との諍い)ネタもほとんどない。番組コメンテイターのなかでは相当の古株のはずだが、ミスマッチ感が否めない。
今朝もピンク紫のセーターを着て、毒にも薬にもならないようなことを言い、好感度を気にするタレントのような作り笑いを浮かべていた。そんな男がこのときとばかり吼えたのだ。そして言い終えると、久々に本領を発揮できた満足感からか、スッキリ!!とした表情を見せた。
加藤のほうは「だから、幸福というのって…あらためて考えさせられますよね。幸せってなんなんだと」と、勝谷の激高はまるでなかったものとして、話を幸福論に戻した。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト